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包囲網形成
●仮にも君たるわしに「匹夫の勇」とは、
いくらなんでも言い過ぎではないのか……(44ページ)
范増が項羽を「匹夫の勇」呼ばわりしたことに対する項羽の反論。ちなみに、史実で項羽を「匹夫の勇」と称したのは韓信である。
●片腹痛いわ!セーブを利用するなぞ、
姑息どころか外道のすることではないか!(47ページ)
伏兵の発見法として、セーブとリセットを利用した手法を進言した范増に対する項羽の激昂。遊び方は人それぞれであると思うが、個人的には同意できる。
●ふふふ、そうであろう。
兵法は、叔父項梁からたっぷりと教え込まれたからな(47ページ)
范増の皮肉を真に受け、図に乗る項羽のセリフ。実際、項羽は項梁から兵法を教わっているが、そのあらましを理解すると、それ以上の掘り下げはしかなった。
●おい、聞こえたぞ。
やはりあのウワサは本当だったようだな(48ページ)
范増の不満を聞きとがめた項羽のセリフ。歴史イベント「范増離反」のヒント、と言いたいが、パソコン版では「范増離反」は起こらない。どちらかと言えば、史実における陳平の離反策が元ネタであると思われる。
●兵はバカでも早い方がいい(50ページ)
『孫子』の「兵は拙速を聞くも、巧遅を聞かず」に対する項羽の理解。上記の通り、項羽は兵法のあらまし自体は理解しているのである。
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野戦を制す!
●たまに私が
「どうも我が軍の武装度は武装度が低いようですな……」
ということがありますよね(55ページ)
「名馬入手」イベントの解説における范増の前フリ。項羽は「あったっけ?そんなことが」と意に介さないが、実際項羽軍の「武装度」は初期段階から非常に高い。范増は「……項王はいつも私の意見を無視なさいますからなあ」と言うが、項羽でプレイしても、あまり見ないメッセージであることは事実である。
●そんなつまらん名前のイベントなど、
あってもなくても関係ない(55ページ)
「武装度」の上昇には高額な資金が必要であるが、本作には、それを無料で行えるイベントがある。范増は、それを「武装度アップイベント」と呼んでいるが、僻地の高奴に赴かなくてはならず、5月か8月にしか起こらない。また、確実にイベントが起こるわけでもないため、はっきり言って効率が悪い。
さらに、基本的に項羽陣営は「武装度」が「80」以上に設定されており、項羽本隊の「武装度」は常に「100」である。そのうえ、高奴は西方にあるため、東方を主な活動拠点とする項羽陣営でイベントを起せるのであれば、すでにゲームは終盤である。項羽陣営に限れば、見出しの項羽のセリフは、まったく間違いではない。
●范増よ、それが人にものを聞いてもらう態度か?(55ページ)
本書の項羽は、一貫して傲慢な自信家という性格付けがなされている。むしろ、ここまで来ると心地よいくらいである。
●もしかして怒っているのか?
なぜだ?おぬしが話したいというから、
聞きたくもない話をきいてやったのだぞ(56ページ)
せっかくの「名馬入手」イベントを全否定され、絶句する范増に対して項羽が放った言葉。以後しばらくの間、范増は項羽を無視して読者に向けた解説を続ける。
●一騎討ちにおいては、強い者が勝つ。
これのみが真実である、以上!(58ページ)
項羽による一騎討ちの解説。一見真理のように見えるが、時には逆転劇が起こることもある。劉邦がクリティカルヒットを連発して項羽に勝ったという報告もある(*)が、にわかには信じがたい。
●144ページのランキングでも、
二位の黥布に9もの差をつけて、ぶっちぎりの一位だぞ、わしは。
わかっておるのか、一位だぞ、一位!(58ページ)
自らの「戦闘力」の高さを誇る項羽のセリフ。ちなみに、144ページには「『項劉記』TOP30」が掲載されている。
●やかましいですなあ。私だって一位ですぞ。
項王と同じく二位に9の大差をつけて(58ページ)
「戦闘力」の高さを誇る項羽につきあう范増のボケ。項羽に「それは『年寄りランキング』であろうが!自慢になるかい、そんなことが!」と突っ込まれている。長寿は大したものであるが、ゲームのシステム的には突然死する危険性を抱えており、歓迎できる要素ではない。
●負けたらつまらんだろう。
もっともわしは負けたことがないからわからんが(59ページ)
一騎討ちの不確定性を「おもしろさ」とする范増に対する項羽のセリフ。范増は表向きは賛同しつつも「(わかっとらんなあ)」と心の中で呟いているが、項羽でプレイしていて項羽が負ければ、ゲームは終わりであるため、負けてもらうわけにはいかない。
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攻城戦の極意
●野も城もない。目の前の敵をたたき伏せる。ただそれだけのことよ。
それがわしの兵法じゃ。わははは(60ページ)
攻城戦と野戦の違いについて問われた項羽の答え。実際それで項羽は勝ち続けてきたのだから恐ろしい。ちなみに、ここには発言者の名前が「范増」になっているという誤記がある。
●誰が豎子だ!
貴様など、亜父ではなくて、大アホで十分だ!
アホアホう!(60ページ)
「豎子」呼ばわりされ、激昂した項羽のセリフ。「豎子」は「鴻門の会」で劉邦を殺す決断ができなかった項羽を范増が評したもの。本書の42ページでも「ガキんちょのこと。転じてとるに足らないウツケ者の意」と解説されている。
「亜父」は、本来「父に近い者」と言う尊称であり、史実の項羽は范増を、こう呼んだ。しかし、日本語では「あほ」となり、「阿呆」に通じるため、カタカナで書くと罵倒にしか見えなくなる。
ちなみに「亜父」は「あふ」とも読み、本作に登場する周勃の息子に「周亜父(しゅうあふ)」がいる。こちらの読み方の方が一般的な印象があるが、それでは見出しのギャグが無意味になってしまう。
●ぐっ、この兵法も知らぬような豎子がァ!
これまでの罵詈雑言、バカな君主と思って辛抱を重ねてきたが、
もう許せぬ!(60ページ)
項羽に「アホ」呼ばわりされた范増は、ついに怒りを爆発させる。しかし、その後は昏倒、さすがの項羽も容体を気遣うが、実は冗談であった。さすがに項羽も「……おぬしの場合、こういうマネは冗談にならないからやめたほうがいいぞ」と忠告する。
ちなみに史実の范増が項羽から権限を取り上げられた際には、「天下事大定矣。君王自為之。願賜骸骨、歸卒伍(天下の大事はおおよそ定まった。あとは好きにやりなさい。私は捧げた身を返してもらい、兵卒に戻りましょう」と言って項羽の元を辞している。
●それらはいったいどこから現れるのだ!?
地の底から沸いてでるのか?それとも天から降ってくるのか?
まるで奇跡のようじゃ!(62ページ)
攻城戦では戦闘中に「徴兵」と「補給」ができることを聞かされ、驚愕する項羽。たいそうな驚きようであるが、続けて范増が「……項王はまだ籠城したことがないのでしたな」と言うように、本当に彼の戦歴に籠城戦は存在しない。
「垓下の戦い」においても項羽はいったん垓下に籠っているが、ここでも本格的な戦いがはじまる前に血路を開いて脱出しており、籠城戦は行われていないのである。
●きっ、貴様などいなくてもよいが、鍾離眛に去られるのは困る。
鍾離眛に残ってもらうために、ここは謝っておこう(62ページ)
「敬慕度」を軽視する項羽に対し、范増は「敬慕度」が下がれば宿将たちも離反する可能性がある事を説いて優位に立った。何となくツンデレ(誤用)風味。
●ははは、もちろん、敵が寝ているときは、
同様に味方の兵も眠いからです(65ページ)
「なぜ『夜襲』は失敗しやすいか」という問題に対する范増の答え。項羽は「おぬし、なめくさるのもいい加減にしろよ」と怒るが、この手の人間の生理的欲求が関わってくる問題は、馬鹿馬鹿しいからこそ真実味がある。
●拷問か!確かに痛快じゃな!(67ページ)
范増の「水攻め」の紹介に対する項羽のボケ。ちなみに拷問は「水責め」である。
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