ハンドブック紹介

 

   項劉記 ハンドブック 第一部  


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概要

 副題は「張良子房の領国経営策」。劉邦と張良の対話形式で内政部分を解説する。内容はギャグ調であるが、史実を踏まえたネタも多く、史実を知っていれば知っているほど面白さが引き立つ。

 こうした読者の知識に訴えかけるネタは、書籍としての面白さと知的好奇心の刺激という両面を楽しむことができ、個人的には大いに歓迎するところである。



●各種図表

タイトル ページ
敬慕度・支持率の増加 22
敬慕度・支持率の減少 24
経験値上昇表 35
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賢い領国経営術とは?

部下を養うのは主君の義務です(18ページ)

 『項劉記』では、劉邦陣営ならば「統率力」、項羽陣営では「戦闘力」に応じた給与が支払われる。給与の支払いは1月と7月(*)であるが、具体的にどれほどの給与が支払われているのかは不明である。

 ちなみに独立勢力では、「用兵力」に応じた給与が支払われているらしい。『項劉記事典』では、それが「用兵力」トップの韓信が独立した理由であるというは、ジョークが掲載されている(*)。

 このような勢力ごとの特色というものは、ゲーム性にメリハリをつける意味でも面白い要素であるため、もう少しピックアップされても良かったのではないかと思われる。



もちろん道路じゃ(20ページ)

 ゲーム画面で各都市をつないでいる通路は、補給網を表す。補給網のつながっている都市では、自動的に物資が多い方から少ない方に補給される。しかし、その量をプレイヤーが指定できるわけではなく、量自体も微々たるものである。

 見出しは、補給網を理解していない劉邦のボケであるが、気にしなければ気にならない程度の要素でしかないのも事実である。なお、大量の物資を一度に輸送しようとするためには、部隊を編成して物資を持たせ、「編成」で再分配することになる。



わしって危急存亡の淵に立たされておるのか?(25ページ)

 「支持率」は「30」未満で所属都市が離反、「敬慕度」は「30」未満で武将が離反する。ただし、所属都市は、部隊が駐屯しているかぎり離反しない。これを利用することにより、その部隊で年の離反を防ぎつつ、「支持率」を上げることができる。

 本作では、他の作品でもデメリットが大きい「略奪」はもちろんのこと、「脅迫」や「強行」、「戦争」のような、他の作品ではデメリットのないコマンドでも「支持率」や「敬慕度」が低下する。

 要するに、普通にゲームをプレイしていても、これらの数値の低下は避けられないのである。よって、本作では、これらの数値の低下を避けるのではなく、すぐに数値の低下分を回復できる状況を整えておくことが重要となる。
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人海戦術指南

臣下のほうでも主君を選ぶのですよ(29ページ)

 本作の人物は、登用に対して4段階の難易度(「登用」)と4種類の好み(「君好」)を持つ。このうち、「登用」は簡単に言えば登用のしやすさに関するものであり、詳細は、こちらにまとめた。一方、「君好」は以下のようになっており、特に「君好」の「3」と「4」により、陣営によって登用できる武将に相違があることになる。

君好 能力 数値 備考
1 敬慕度 「50」以上  _
2 敬慕度 「80」以上  _
3 戦闘力 対象武将以上 項羽寄り
4 統率力 対象武将以上 劉邦寄り

 能力に関連したものは、どうしようもない部分もあるが、せめて「敬慕度」を「80」以上に上げることで「登用」の幅を広げたい。ちなみに、「君好」は「4」が劉邦寄りとなっているが、劉邦自身の「君好」は「2」である。そのため、項羽でプレイした場合は、彼を部下にすることも不可能ではない。



ムダ飯食いは天下にひとりいれば十分です(31ページ)

 本作では編成した部隊がユニットとなり、このユニットに命令を下してゲームを進める。ただし、最低単位として100人以上の兵士がいないと部隊は動くことができない。そうした部隊は、まさに「ムダ飯食い」となってしまう。

 また、そうした部隊を出さないために「編成」を行った場合、それに参加したすべての部隊の行動は終了状態となる。よって、「編成」は最後に未行動状態で残った部隊に行わせるべきである。

 さらに、1つの部隊には5人の武将を配属することができるが、5人の武将のいる部隊は在野の武将や捕虜を登用することができない。よって、武将の人数には秋を作っておいた方が良い。

 ちなみに、シナリオ1の劉邦でゲームをはじめ、開始直後に部隊の武将を5人にしてしまうと、「張良志願」イベントで登場した張良が部下にならず、在野に下ってしまう。



項羽と范増の組み合わせは、
  いよいよ宝の持ち腐れじゃのう(34ページ)


 部隊の機動力は、部隊内の「用兵力」が最も高い武将から算出される。この時、「用兵力」が「80」以上であれば、戦略画面の移動で4スクエア、戦闘画面では3回攻撃ができる。「用兵力」が「80」未満の武将しかいない部隊の移動力が3スクエア、攻撃回数が2回であるのに対し、その優位性は大きい。

 「用兵力」は、最も高い人物の数値だけが適用されるため、1つの部隊に「80」以上の「用兵力」を持つ人物が複数いても無意味である。そのような場合、彼らを別の部隊に分ければ、その人数分だけ、優秀な部隊を編成することができる。項羽と范増は、いずれも「80」以上の「用兵力」を持つため、彼らが同じ部隊にいても、「用兵力」の持ち腐れとなってしまうわけである。



しょせん雑魚は雑魚のままか……(35ページ)

 本作の武将は、コマンド実行の際に「経験値」が加算され、これが「100」になると、「戦闘力」、「統率力」、「用兵力」のいずれかが「1」上昇する。注目するべき点は、これによって「用兵力」が「80」に達した武将も上記の恩恵を受けられることである。

 そのため、「用兵力」が「79」の季布や陳平、「78」の王陵や周蘭などは、積極的に「用兵力」の上昇を狙っていくのも面白い。ただし、経験値の取得は微々たるものであり、上昇する能力も選ぶことはできないため、狙った数値を上げていくにはリロードが必須となる。
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舌戦を制す

劉邦様に脅迫されて
  おとなしく屈する者などいるものですか(38ページ)


 本作では、項羽陣営と劉邦陣営以外の勢力に対する働きかけとして、「懐柔」と「脅迫」という2種類の手法がある。このうち、「懐柔」は「統率力」に依存し、金を消費する。一方、「脅迫」は「戦闘力」に依存し、「敬慕度」が低下する。よって、「懐柔」は劉邦向き、「脅迫」は項羽向きのコマンドであり、劉邦が無理に「脅迫」をしても、見出しの張良のセリフのように効果は薄い。



「ギブ&テイク」ってわけか(38ページ)

 自陣営に取り込んだ勢力は、補給線を共有することができるだけでなく、クリアのために滅ぼすべき勢力から外れ、その分だけクリアを早くすることができる。また、食料の「援助」と戦闘への参戦を求めることができるが、いずれも近くに同盟勢力の部隊がいなければならないため、これらの実用性は低い。



要するにあまり役に立たんということではないか(39ページ)

 本作の外交能力は、数値ではなく記号で示されており、ハードによって多少の相違がある。他勢力と交渉を行うためには、最低限、外交能力を持つ武将が1人、盟主のいる部隊(本隊)にいる必要がある。

ハード 外交能力あり 無し
PC版
AM版 A B C D

 しかし、本隊以外の部隊に外交能力保持者がいても、降伏勧告や和議要請くらいしか行えるものがなく、これらは成功率自体に問題がある。よって、結論としては見出しの劉邦のセリフのままとなり、張良も「ゲームに感情移入する意味で、雰囲気というものがございましょう?」と言葉を濁している。

 なお、外交能力か「用兵力」が「80」以上の人物が本隊にいる場合、軍師として
助言してくれるようになる。これは「遷都」イベントを起こすための必須条件でもある。劉邦の場合はともかく、項羽の場合は、前述のように「用兵力」の高い武将が重なるという問題点があるため、外交能力のある武将を軍師にした方が効率的である。
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