ハンドブック紹介

 

   項劉記 ハンドブック その他  


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巻頭グラビア

●概要

 巻頭グラビアは正子公也のカラーイラストである。実際にはタイトルはないが、人物画は人物名、その他のものは内容から便宜的にタイトルをつけた。つまり、ここに掲載されているタイトルは公式的なものではないということである。
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中国大陸古代史探訪

●概要

 『項劉記』の時代に至るまでの中国の歴史を、秦の急速な強大化を中心に紹介する。半ば神話時代の五帝時代から夏、殷、周を経て春秋戦国時代に至るまでが簡潔ながらも連続性を持って網羅されており、情報としては非常に有用である。



●舜(71ページ)

 本項では、舜について簡潔にしか触れられていないが、彼と項羽には、1つの眼球に2つの瞳がある「重瞳子」という身体的共通点がある(ゲームの顔グラフィックでは再現されていない)。また、秦の始祖に「」姓を与えたのも彼であり、本作との関連性は意外と深い。

 ちなみに、司馬遷は「項羽本紀」のまとめにおいて、「重瞳子」という共通点から、項羽は舜の末裔であると推測している(*)が、項一族が「重瞳子」を受け継いだわけではないため、飛躍しすぎた結論である。



●周王朝は姿を消して、
  戦国時代(前四〇三〜前221)へと移行するのである(75ページ)


 戦国時代に移って各国が周と同等の「王」を称し、周の権威が地に落ちたことは事実であるが、秦の荘襄王(始皇帝の父)に滅ぼされるまで周は健在であった。よって、見出しは誤りである。

 ちなみに、春秋時代と戦国時代の境目については諸説あるが、現在最も主流なものは、晋が魏、趙、韓に分裂した後、3国が周から正式に諸侯として認められた紀元前403年、つまり見出しの年代となる。
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第三部 覇道の章

●概要

 本作に設定されている4つのシナリオの歴史的背景、項羽と劉邦それぞれの初期戦略、初期状態で存在しているすべての部隊のデータと在野武将を紹介している。総合的な情報量が少ないこともあり、相対的に情報の密度は高い。なお、各都市のデータは、「第四部 展望の章」に掲載されている。



コンシューマ版との相違(104ページ)

 シナリオ4のパソコン版の項羽陣営の各部隊は、それぞれ2000以上の兵士を保有しているが、後発のコンシューマ版では、ほぼ1000程度の兵士が減らされている。「四面楚歌の状態にある項羽軍が簡単に劉邦軍に勝利できたから」であるという(*)。
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仮想バトル・T 漢楚中原に覇を競う

●概要

 項羽と劉邦の2人プレイによるシナリオ1のリプレイ。劉邦サイドは劉邦と張良、項羽サイドは項羽と范増の対話に分けられ、基本的に二つの陣営の対話は干渉しない。全体的にギャグ調であるが、下記の略奪の使い方については見るべき点がある。



●わしは劉邦がアッと驚くような方法で勝ちたいのだ(108ページ)

 漢中より東進して中原に出た劉邦に対し、項羽は宛から武関を落とし、さらに北上して劉邦の背後を断つという戦略を立てた。しかし、劉邦は動じず、逆に項羽軍の別動隊を撃破して中原の支配権を確立してしまう。

 項羽の本隊は、あわてて宛に引き返したが、すでに宛は離反しており、武力入城によってかろうじて食料を確保するという失態を演じることになった。『源平合戦ハンドブック』のリプレイでも似たような展開が見られたが、「雄大で派手な戦略」の難しさを考えさせられる展開である。

 ちなみに、中原に戻った項羽に対し、劉邦は置き土産として、「略奪」を行っていた。これによって補給手段を失った項羽の本隊は、強大な兵力が仇となり、食料不足に苦しめられることになる。



●なんと、劉邦め、略奪をやりおった!!(110ページ)

 「略奪」は、類似のものも含めて光栄の数多くのゲームに存在するが、デメリットに対してメリットが見合わず、実行する価値のないコマンドであることが多かった。しかし、本作では、使いどころを間違えなければ、意外と使えるコマンドのようである。

 本作では、略奪を行った場合、「士気」が上昇する一方、「敬慕度」が「10」減少し、「支持率」も大きく低下する。その意味では、本作においてもデメリットは大きいが、「敬慕度」の低下値は攻城戦を仕掛けた時と変わらず、「支持率」の低下についても、もともと低い都市では影響が少ない。

 そのため、もともとの「支持率」が低く、平和的な「入城」の難しい敵地で略奪を行えば、「支持率」の低下は気にする必要がなく、それでいて金と食料が手に入り、場合によっては敵の補給路を断つことにもつながる。見出しのセリフも、これによって補給物資を奪われた項羽の激昂である。
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仮想バトル・U 覇王、逆襲す!!

●概要

 シナリオ4の項羽のリプレイである。こちらはシリアス調であり、項羽の1人称で物語が展開する。個人的な見どころとしては、虞美人の励ましや、季布と鍾離眛の忠義に心打たれた項羽が再起を決意するところにある。鍾離眛らの活躍によって血路を切り開いた項羽は、はじめて、これまでの勝利が自分の力だけでなく、彼らの助けもあってのことだったということを悟るのである。

 そして、劉邦軍を退けた後の黥布との戦いの中で、項羽は今は亡き范増の戒めを思い出し、かつての自分が黥布と同じ「匹夫の勇」であったことに気付く。この2つの出来事を経た項羽は、戦後の民に気を配るだけの配慮を身に着け、精神的に大きく成長しつつ、劉邦との戦いを続ける決意をする。

 1つの物語としても出来は良いが、このシナリオ自体の項羽は、本作でも高難度な部類に入るため、その攻略のヒントとしても役立つ。読み物として面白く、攻略としても有用であるというのはリプレイの鏡であり、個人的にはリプレイ記事の中でもベストに数えることができる。
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