概要

基本システムの解説を目的とした章である。


 
本項の構成

 ページ  タイトル  内容
 17  扉  イブン・ハズムの詩
 18~19  狼の再来  ゲームの特色
 20~23  情報を制す  基本データ紹介
 24~25  覇者の選択  モンゴル編のユーザー族長
 26~27  草原の民  遊牧民の暮らし(歴史読み物)
 28~29  民草の賦  住民配分とモラル
 30~33  将に将たるの器  人材活用
 34~35  神が与えた帝国  属国への指示
 36~37  怒涛の足音  戦闘関連のデータ
 38~41  蹂躙する馬蹄  戦闘
 42~43  さらなる荒野へ  戦後処理
 44~45  世界への布石  世界編への移行
 46~48  逆襲のジャムカ  バトルレポート



備考

表のリンク先では、各項の注目点をまとめている。また、リンク先のタイトル部分のリンクは、上の表に戻るためのリンクである。
 
 
情報を制す
 
人物を見極めろ(22ページ)

本作の登場人物は、基本データとして「政治力」、「戦闘力」、「指揮力」、「魅力」という4種類4段階の能力値を持つ。これらについては、22ページの「人物の能力が与える影響」に解説がある。

能力値の中で、統治者に最も必要なものは「魅力」であるという。「戦闘力」、「指揮力」を使う戦闘は将軍に、「政治」を使う内政は政治顧問に任せることができるが、「魅力」だけは部下の能力で代用することができないためである。

ちなみに、本書には「指揮力」が「敵軍交渉」に影響を与えるとあるが、『スーパーガイドブック』によると、「敵軍交渉のうち「降伏勧告(投降勧告)」は「魅力」、「停戦要求」は「政治力」と「魅力」が適用されるという(*1)。どちらが正しいのかは分からないが、ハードによる相違がある可能性も考えられる。



政治力

各能力が、実際にどれほどの効果を及ぼすのかは不明であるが、「政治力」だけは、かなり具体的な効果を確認することができる。まず、コマンド実行の際、「政治力」が1ランク高くなると、実行に必要な体力は「1」減少する。また、政治顧問には外交の際に意見を求めることができるが、「政治力」が「B」以上ないと、プレイヤーにおもねるだけで具体的な助言をしてくれなくなる。
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覇者の選択

四人の英傑(25ページ)

本作のモンゴル編最大の特徴は、テムジンだけでなく、ジャムカ、トオリル・ハーン、ダヤン・ハーンの4人を選択することができるようになったことである。もちろん、世界編に移行する時も、勢力と族長の設定は受け継がれる。

族長の設定は一長一短といえるが、テムジン以外の勢力は基本的に人材が乏しい。31ページには、デフォルトの人材をまとめた「モンゴル編逸材地図」が掲載されているため、必要な人材を集める目安としたい。特に注目するべき人材は6国(ゴルゴナク河原地方)のムカリである。ジャムカの本拠地であるため、彼でプレイする場合は、最優先で登用しておきたい。
 
 
民草の賦

住民配分の極意(28ページ)

本作も前作に引き続き、内政は各事業に人員を割り当てるというシステムである。このうち「農業(農産品作り)」の効果は気候に左右されるが、モンゴル編の気候は4国(内モンゴル高原地方)が「乾燥」、その他の13国は「冷帯夏雨気候」であり、いずれも農業には向かない。

特産品についても、21ページに「特産品生産分布図」があるが、そのほとんどは「毛皮」であり、8国(バイカル湖東岸地方)の「貴金属」と10国(シベリア南部地方)の「宝石」を除くと住民を配分する価値は低い。

また、『スーパーガイドブック』によると、「経済(町作り)」の上昇効率は文化圏に対応しており、モンゴルは8文化中最下位(*2)である。これらのことから、モンゴル編では「畜産品作り」と「町作り」に住民の大半を割いてしまっても問題はないと思われる。


 
「アメとムチ」は通じるか(29ページ)

本作のモラルは、収入だけでなく、内乱の発生率にも影響している。内乱が起こるのはモラルが「50」を切った状態であるため、最低限それ以上の数値を維持しておきたい。ちなみに、モラルを上げる手段である「施し」は実施者と対象国の文化が一致していないと効果が半減する(*3)。モンゴル編では問題にならないが、世界編では注意する必要がある。
 
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神が与えた帝国

直轄地の廃止(34ページ)

『ジンギスカン』には、領主がおらず、プレイヤーが直接指示を下せる直轄地が存在した(ただし、コマンドが大きく制限される)が、本作では廃止された。そのため、将軍の数が足りなくなれば、裏切るおそれのある非血縁将軍に国を任せなくてはならない状況に陥ることになる。

本書では、彼らに裏切られてもダメージの少ない生産国を任せることを推奨しているが、後方の戦力の薄いところで反乱を起こされても、すぐには鎮圧できないため、それはそれで面倒である。しかし、前作と同じく、前線には無能であっても血縁将軍を赴任させるというセオリーは変わらない。なお、本作では「政治顧問」を派遣することで、無能な血縁将軍の能力不足を補うことができるようになった。


 
政治顧問(35ページ)

政治顧問は、「投資」を行い、金と引き換えに直接的に国力を上昇させることができる。また統治者の能力が低い場合も、政治顧問が優秀であれば代行してくれるため、無能な血族に属国を任せ、優秀な政治顧問に彼を補佐させるという人事が成り立つ。ただし、裏切りやすい人物(*4)を政治顧問にした場合、属国への「指示」をまともに実行しないようである。
 
 
怒涛の足音

部隊の増減と維持のルール

本書に記載されていない内容を『スーパーガイドブック』の内容で補足しておく。ただし、移植に伴う仕様の変更があるかもしれないことをあらかじめ明記しておく。

「徴兵」は国の文化圏に対応した兵科を雇うことができる。ただし、1部隊あたり「200」の人口が減少し、装備率と訓練度、さらにモラルが低下する(*5)。一方、商人からの「雇兵」は商人の文化圏に応じた兵科を雇うことができるが、傭兵の雇用費は「徴兵」の1.5倍となる(*6)。また、部隊の「解雇」は、1部隊につき人口が「200」増える代わりにモラルが低下する。

さらに、部隊を維持するだけでも、毎季節1部隊につき「10」の資金を消費する(*7)。これを支払えないと、「戦意」の低い部隊から消滅してしまう。そのうえ、部隊を「移動」させるだけで「50」の資金が必要となる(*8)。なお、この場合の装備率と訓練度は、移動先のものと平均化されるため注意が必要である。



遠征に備えるために(36ページ)

城防御度は、戦闘画面において、守備側が城の内部にいるときだけ適用され、守備側の防御力を高める効果がある。このためか、城を守る敵部隊は城から出ないことが多く、攻撃側としては、間接攻撃が有効となる。

間接攻撃の矢弾数は、その戦闘中にだけ適用される。つまり、矢弾を撃ち尽くしても、次の戦闘では全快するのである。そのため、矢弾を撃ち尽くしたら後退して攻撃を控えて戦闘を終わらせ、次の攻撃で再び間接攻撃を行うことが有効な手段となる。

しかし、このゲームの戦闘は、一方の部隊が全滅するか、ターンを完全に消費するまで終わらないというルールになっている。そのため、矢弾を撃ち尽くし、後退してもターンが「0」になるまでは、ターンを送り続け、戦闘の終了を待つしかない。このことが、本作の戦闘を非常に手間のかかる作業的なものとしている。



費用と補給率(37ページ)

遠征における費用は1部隊あたり「50」、「補給率」を最大の状態で戦闘をはじめるには、1部隊につき兵糧「200」が必要となる。また、軍団編成の際に領地の金を持ち出すことができるが、これは戦争時には消費されず、占領地の金に加算される。これにより、占領地の金が少ない場合は、あらかじめ金を持参しておき、占領後の資金不足を補うことができる。

「補給率」は、行軍を続けると減少し、戦意の低下をもたらすだけでなく、「50」を切ると、兵の脱落がはじまる。本作では、「狩猟」と「略奪(補給)」による戦闘中の補給率の回復が可能であるため、状況に応じて活用したい。
 
 
蹂躙する馬蹄

戦場で想うこと(38ページ)

「軍団ランク」は、軍団長の「指揮力」、身分、装備率、訓練度などで決まる。ランクが高いと機動力や混乱からの回復率が高まる。これを高ランクに維持するのは割と容易であるため、できる限り好条件を整えてから戦闘に赴くべきである。

「天候」は、機動力、戦闘ターン数、補給率の低下度合に影響を与える。また、本書64ページでも説明されているが、災害が起こった地域では、戦場でも災害の影響が現れることがあり、兵士数が低下することがある。その発生率は5%(*9)であるというが、おそらく1日当たりの発生率であると思われる。



行軍開始(39ページ)

本作では、攻守いずれかの第一部隊が壊滅した時点で戦争の勝敗が決する。さらに、残った部隊は勝者に吸収されることもあり、他の部隊をスルーして第1部隊を狙うことは一石二鳥ともいえる。

そのため、行軍モードでは、敵の第1部隊を最優先の目標として移動することがセオリーとなるが、本書105ページによると、敵が複数の領土を持つ場合、第1部隊が壊滅しても、残った部隊は隣国に撤退してしまう。そのため、このような場合には、第2部隊以下を先に撃滅した方が適切である。



戦闘の火蓋(40ページ)

部隊の兵数は、その戦争中にのみ適用される。つまり、その戦争で部隊の兵士数が「1」になっても、戦争が終われば損害はリセットされ、次の戦争では「200」に回復するわけである。

そのため、兵数が「1」の部隊と完全に壊滅した「0」の部隊とでは、天と地の差がある。このことから、戦闘では1部隊1部隊を確実に殲滅することが重要となり、プレイヤーは、部隊の壊滅を避けなくてはならない。



第二ラウンドの前に(41ページ)

本書では「略奪」について簡潔に触れているが、国力に乏しいモンゴル編では非常に有効的な物資獲得の手段となる。さらに敵から物資を奪うという都合上、敵の国力にもダメージを与えることができる。敵が第1部隊しかいない場合は城にこもって動くことがないため、敵の城が複数ある場合や城と町が離れている国では、格上の敵であっても、安全に略奪を行うことができる。

ただし、そのまま相手の国を占領してしまうと、「略奪」によって低下した国力の回復に追われることになる。「略奪」を行う場合は「略奪」そのものを目的とするべきであり、敵地の占領を目指す場合は、「略奪」は行わない方が良い。そのため、「略奪」は最序盤の手段に限られ、安定して勢力を拡大できるようになれば、行う必要はないと言える。
 
 
世界への布石

ユーザーシナリオ

前作と同じく、本作でもモンゴル編をクリアすると世界編に移行する。さらに本作では、モンゴル編をクリアしたデータを保存することができ、モンゴル編の統一勢力は「××族」から「××帝国」となり、族長はそのまま受け継がれる。また、テムジンのみチンギス・ハーンと改名して顔グラフィックが変わる。

このデータを使った追加シナリオ(ユーザーシナリオ)は、他の国王でもプレイすることができる。ただし、ユーザーシナリオをモンゴル編統一者以外の勢力でプレイする場合も、モンゴル編統一時のデータが第1国(モンゴル高原地方)の勢力に適用されることになる。そのため、モンゴル編で強化しすぎたデータを残すと、特に位置が近い日本では苦戦することになると思われる。

コンシューマ版は仕様が違うと記しておりましたが、情報に誤りがあったため削除いたしました。この場を借りてお詫びいたします。



世界編に備えての準備(44ページ)

世界編に移行するための大前提として、1215年までにモンゴル編をクリアする必要がある。また、本作ではモンゴル編をクリアした年の翌年から世界編がはじまるため、前作のようにクリア直前の状況で国力を上げておくメリットは少ない。

国力は、前作と同様、全14国の合計値の10%が算出される。部隊については「部隊数と種類は規定値がある」とあるだけで詳細は不明であるが、できる限り弱い兵科を「解雇」し、蒙古騎兵などを残しておきたい。



人事異動(45ページ)

本作では、モンゴル編クリア後に人事異動ができるため、前作のように前もって人事を調整する必要はない。今回は、将軍8人と政治顧問1人の9人を連れて行くことができるが、血縁者を最優先にするという原則は前作と同じである。
 
 
バトルレポート 逆襲のジャムカ

概要

シナリオ1のジャムカによるバトルレポートである。文体は3人称視点であり、テムジンとの対決に臨んだジャムカが、これまでの行動を振り返るという体裁を取る。テムジンとの戦い自体は記されていないため、山場に差し掛かる前に終了してしまったかのような、不完全燃焼ぎみな印象がある。



そして、1185年、夏。ジャムカは創業の功臣となる人物と出逢う

47ページ参照。ムカリを抜擢したということ。その能力は、「指揮力」が「A」で他の能力も全て「B」と高く、「創業の功臣」と呼ぶにふさわしい能力を持つ。スタート時点で彼を登用できるジャムカはもちろん、他の勢力においても、6国(ゴルゴナク河原地方)を占領したら優先的に彼を登用しておきたい。

また、レポート内でも触れているが、ジャムカの本国である6国(ゴルゴナク河原地方)には、ムカリのほかに、「戦闘力」が「A」のジュルチダイとクイルダル、「魅力」が「B」のゴルチなどがデフォルトで在野に潜んでいる。ジャムカの配下には親族のタイチャルしかいないこともあり、まずは彼らの発掘を行い、人材を整えるべきであると思われる。



そなたの美しさは、まるで今宵の空の星のようだ

47ページ参照。ジャムカの后、ニドンに対するジャムカの口説き文句。性格に「魅力」を持つニドンに対して美貌を称えることは有効な手段であり、オルド交渉のヒントにもなっている。ちなみに、その後は「ふたりの視線が、熱く絡み合った」と情緒的にまとめているが、これもゲーム的には性格に「魅力」を持つ后は「じっと目を見る」が効果的な愛情表現となっていることの表れである。
 
 
*1

スーパーガイドブック』、31ページ参照。
 

 
*2

スーパーガイドブック』」、16ページ参照。なお、8文化の「経済力」の順位は高い順から「中国→イスラム→東欧→西欧→日本→インド→内アジア→モンゴル」となっている。


 
:*3

スーパーガイドブック』、64ページ参照。同じく124ページによると、モンゴル編では4国の人材である耶律阿海が中国文化圏、14国の人材であるタタトンガが内アジア文化圏に属していることを除くと、全員がモンゴル文化圏である。タタトンガを見落としていたため、後から追記したことを明記しておく。

またシナリオ3のビザンツ帝国は東欧文化圏に属するが、125ページによると、国王のミカエル8世は西欧文化圏の出身となっている。彼はビザンツ帝国の貴族であるため、誤植の可能性もあるが、これが本当ならば、それだけで大きなハンデを抱えていることになる。


 
*4

本書には一切解説はないが、 『スーパーガイドブック』の124~127ページに初期状態で設定されている全人物のうち、統治者を除いたデータが公開されている。これによると、裏切りやすさは「親族」、「(義理が)高い」、「(義理が)低い」の3段階に分かれているようである。


 
*5

スーパーガイドブック』、28ページ参照。


 
*6

スーパーガイドブック』、60ページ参照。


 
*7

『スーパーガイドブック』、17ページ参照。


 
*8

スーパーガイドブック』、28ページ参照。


 
:*9

スーパーガイドブック』、88ページ参照。