軍備の増強

軍備の目的は、戦争に勝利できる精強な軍団を編成することにある。そのためには、士気、武将の質、兵力が重要となる。まず、士気は、城の士気を100に保ち、「人気」を上げることで高めることができる。しかし、「人気」は「治水」や「税率」を下げることによって上昇しやすくなるため、軍備を増強するためには、内政が不可欠であることになる。

また、軍団編成後は、自軍の城の上で待機していると、1日ごとに「1」ずつ士気が上昇する。そのため、編成時は軍団の士気が低くても、手早く士気を上げることができる。ただし、兵力が多い場合は、兵糧の消費も激しくなるため、その点には注意する必要がある。

武将の質については、できる限り身分と「戦闘」の高い武将を集めるしかない。「戦闘」は「B」以上であることが好ましいが、身分が低い場合は、民兵の最大数の問題から、「戦闘」が「C」でも身分の高い武将の方が有用である。

兵力については、総石高の少ない序盤では傭兵で補い、領土の拡大によって知行地が増えたら、民兵を主力にしていきたい。最終的には、「動員」を利用することにより、常時民兵を最大限に活用することができるようになる。
 
 
知行と民兵

民兵は武将の知行で養われる兵士である。そのため、勢力としては彼らに一切の給与を払う必要はない。また、民兵の数は知行の量に左右されるが、知行は身分によって最大値が決まる。そのため、身分の高い武将は多少「戦闘」が低くても、兵力によって補うことができる。

知行は1000石を最低単位としており、農閑期を基準にすると1000石で30人の民兵を養える。余談ではあるが、この数値は陸軍参謀本部が算出した戦国時代の動員兵力「1万石につき250人」を基準にしていると思われる。

民兵は農閑期には知行に応じた最大数を編成することができるが、農繁期になると農作業に従事するため、編成数が3分の1になる。しかし、これは「動員」により、その年の秋の収穫量を半減させることで兵力を農閑期と同様にすることができる。

つまり、これによって農繁期の武将に対して3倍の兵力を保有できることになるが、この状態で敵城に攻め込むと、敵も「動員」で兵力を整えるため、行軍を工夫しない限り、絶対的な優位を確保することは難しい。

民兵を消耗した場合、1日につき最大民兵数の0.5%分の人数が回復する。この回復も無償で行われるが、回復を促進する手段はない。つまり、民兵が「0」の武将は、どうあっても200日経たないと民兵が最大値にならないということである。そのため、民兵の損耗はできる限り抑えたい。具体的には、軍団の士気を上げる攻城戦の「強襲」を控えることなどである。

ちなみに、傭兵の最大数も知行に左右され、知行に応じた民兵と同数を軍団編成時に編入させることができる。しかし、このシステムは本来知行に影響されないはずの傭兵の強みを殺してしまっている。知行に関係なく身分に応じた傭兵を雇うことができれば、もう少し傭兵の使い道もあったと思われる。
 
 
徴兵

「軍備」コマンドの「徴兵」は兵糧「10」につき1人の傭兵を雇用するコマンドである。『戦国夢幻』の「徴兵」は、最初に雇用する兵士数を定めると、武将の「外交」能力に応じて1日ごとに傭兵が増加していくというシステムになっている。

この時の増加量は武将の「外交」に直結しており、「E」の武将は1日につき1人しか雇用できないが、能力が1つ上がるたびに雇用人数も1人ずつ増えていく。そのため、500人の傭兵を雇い入れる場合、「外交」が「E」の武将ならば500日かかるが、「外交」が「A」の武将ならば、100日で済ますことができる。

また、傭兵は1人につき毎月0.2石が維持費として消費される。これの詳細については別項にまとめたが、町の規模が低い城に大量の傭兵を駐屯させると、月の収入が赤字になる可能性もある。どうしても傭兵を集めておくという状況でなければ、ある程度は分散させて城の経済的な負担を減らした方が良い。

しかし、順調に領土を拡大していくと、知行の総量や武将の身分の関係から、民兵だけで充分に戦力を整えることができるようになるはずである。また、敵城を落とせば、城内の傭兵の一部が帰順してくるため、「徴兵」を使わなくても、ある程度の数を維持することができる。

こうしたことから、ゲームの進展とともに「徴兵」を行う機会は自然と減り、傭兵自体も、一向一揆対策のための駐屯兵や、前線の最低限の守りとして二次的な運用に回されていくことになると思われる。

なお、「徴兵」は身分の影響を受けず、功績を獲得することもできない。そのため、「外交」以外の能力が低い主君や宿老に行わせると無駄がない。
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動員

「城コマンド」の「布告」の「動員」は、その城に知行を持つ武将の民兵を、農繁期であっても農閑期と同様の兵数にするコマンドである。「動員」を発動すると、その年の収穫量は半分になるが、このロスを他の城の収穫で補えるのであれば、恒常的な大軍の編成手段となりうる。

ある程度勢力を拡大したら、「刀狩」と「検地」で兵糧を増産する城と「動員」で恒常的な軍事力を維持する城に分けていきたい。特に後述の「強兵」属性の城には、優先して「動員」をかけておくべきである。なお、「出家」している大名の勢力は「動員」を行うことはできないため、前述の傭兵の運用がより重要となる。

ちなみに、CPUは防戦時に「動員」を使用することがある。そのため、農繁期に敵城の兵力を確認して攻め込んだとしても、これによって戦力を増強する場合がある。囮を出すことで「動員」を行わせずに敵に出兵を促す手段もあるが、情報を確認する際には、その時が農繁期であるかどうかを考慮する必要がある。
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強兵

「強兵」属性を持つ城(以下、「強兵」城)に知行が割り当てられている武将は、傭兵の3倍、民兵の1.5倍の強さを持つ「強兵」を率いることができる。しかし、それだけで戦いに勝てるというものでもないため、過信するのは危険であり、必要以上に警戒するほどのものではない。

「強兵」城は、各シナリオごとに固定されている。これらの城を所有している場合は、戦闘力の高い武将に知行地を分け与えたい。また、前述したように「強兵」城には常に「動員」をかけておくと、その戦闘力を常に引き出すことができる。

なお、「城コマンド」の「布告」の「検地」を行うと、「強兵」属性は無効化されるため、石高の高い「強兵」城で「検地」を行うことは避けたい。ちなみに、CPUは「検地」を行わないため、知らない間に「強兵」属性を無力化させられるということはない。これは「刀狩」について同様である。