友好度

『戦国夢幻』における外交関係は、「同盟」、「親密」、「友好」、「嫌悪」、「敵対」の5段階の友好度によって表される。しかし、「攻略本」の40ページによると、実際には数値が設定されており、「同盟」は友好度「100」以上、「親密」は「99~75」、「友好」は「74~50」、「嫌悪」は「49~25」、「敵対」は「24~0」であるという。

友好度は後述する「交流」や「婚姻」で意図的に上昇させることができ、交戦した勢力に対しては大幅に低下する。しかし、相手に向けて軍団を派遣した時点では友好度は変わらないため、実際に交戦するまでは「敵対」状態への移行を回避することができる

また、全ての勢力は他の勢力との国力差に応じ、リアルタイムで有効度を変化させている。具体的には、国力がやや高い程度の相手に対して最も敵対的になり、国力が離れた相手に対しては友好的になるのである。

そのため、敵対的であった相手も、勢力を拡大すれば友好的になり、逆に勢力を拡大することで友好的であった相手が敵対的になることもある。そのため、同盟を続ける必要がある場合は、「交流」によって友好度を維持し続けなくてはならない。

なお、友好度が高い状態でも、「同盟」を結んでいない限り、CPUは侵攻を行ってくる。そのため、外交関係の存在意義は「他の大名と同盟を結ぶかどうか」という一点に集約され、「同盟」以外の外交状態は、同盟の結びやすさを表す指標と割り切った方が良い。
 
 
交流

「外交コマンド」の「交流」は、武将を他の大名の本城に派遣し、友好度を上げるコマンドである。なお、本城は家門の色が濃い城であるが、そこに大名がいるかどうかは問題にならない。つまり、大名が本城にいなくても、「交流」は本城で行うことになるということである。

相手の大名に対する友好度を上げれば、やがて同盟を結ぶことができるが、戦略的に本当に必要な同盟は、後述の「婚姻」によって即座に締結した方が良い。もっとも、「婚姻」は友好度が「友好」以上の相手にしか使えないため、それ以下の大名と婚姻同盟を結ぼうとするならば、やはり「交流」による関係の改善が重要となる。

また、上記の通り、外交関係は相対的な強弱関係によって変化する。そのため、一度同盟を結んでも、強弱関係が変われば友好度が下り、同盟を破棄されることもある。しかし、「交流」を行うことで友好度の低下を防げるため、「交流」は、同盟後のアフターケアとしても重要なコマンドである。

ただし、「交流」を行っている武将は、他の大名の城に張り付き続けることになるため、「外交」以外の能力も高い武将に「交流」をさせ続けることは、能力の持ち腐れとなる。このような時に、朝山日乗足利義昭、近衛前久ら「外交」だけが突出して高い武将がいると、人選に悩まなくても良いのであるが、ある程度の妥協は必要である。
 
 
援軍

「外交コマンド」の「援軍」は、同盟勢力に軍事的助力を依頼するコマンドである。交渉に成功した場合、交渉役の武将と同盟勢力が派遣した武将による軍団が編成される。この軍団の兵糧は同盟勢力から供出されるが、軍団は自勢力の軍団として自由に操作することができる。失敗した場合は、その旨を伝えるメッセージが表示されるため、必要であれば再度交渉を再会すればよい。

このコマンドの重要な点は、勢力そのものではなく、「援軍」を依頼した城の兵力が供出されることである。そのため、交渉を行う城が軍団を派遣できる程度の戦力を保有していなければならない。また、この軍団の士気も派遣元の城を基準として計算されるため、軍団の士気が不充分である可能性も高い。もっとも、これは自勢力の城で待機すると士気を上げることができるため、大きな問題とはならない。

「援軍」を行う必要があるのは、序盤に攻勢に出ることのできない弱小勢力であると言いたいところであるが、そのような弱小勢力は、交渉役となる外交要員がいないという問題点がある。シナリオ2~6の二条城で浪人をしている近衛前久(「外交」が「A」の宿老)は、そのための救済措置であると思われるが、彼が軍団に編入されても役には立たず、彼を5万石の知行で雇い入れるならば、戦闘要員に知行を与えた方が良い。

私自身が使いこなしていないこともあるが、「援軍」は、他勢力を頼りにするという不確定要素が強いため、基本的には使いにくいコマンドであると言える。何度も書いているが、弱小勢力であれば、「不穏」を使った方が敵城を攻略しやすく、中堅勢力にもなれば、自勢力の軍団だけで充分に戦えるはずである。「援軍」交渉の失敗に苛立つよりは、より確実な手段を用いた方が良いのではないかと思われる。
 
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婚姻

「大名コマンド」の「布告」の「婚姻」は、姫を他家に与えて友好度を大幅に上昇させるか、家臣に与えて一門衆に加えるコマンドである。他家に姫を嫁がせる場合、外交関係が「友好」であることが前提となり、「攻略本」の23ページによれば、内部処理として友好度を「50」上げる効果がある。

上記のとおり、外交関係の「友好」は内部数値的に友好度が「50~74」の状態である。そして、同盟を結ぶには友好度が「100」になれば良いため、「婚姻」が使える状況であれば、ほぼ確実に同盟を締結することができる。

ゲームスタート直後には、ほとんどの大名との関係は「友好」である。弱小大名の場合は、これを利用して早急に近隣の大名と婚姻関係を結び、敵を一点に絞りたい。一方、敵を絞る必要のない大名の場合は、同盟統一を達成する手段として、最後の段階で有力な他勢力に姫を嫁がせるという手段を採ることもできる。
 
 
破盟

「大名コマンド」の「布告」の「破盟」は、同盟を破棄するコマンドである。『戦国夢幻』では、同盟破棄に対するデメリットは一切ない。例え婚姻関係があったとしてもである。ただし、もちろんCPUもペナルティなしで「破盟」を行ってくるため、上記のとおり、同盟締結後も関係の維持が必要となる。

なお、『戦国夢幻』には、『信長の野望』シリーズなどのように敵大名を取り込むコマンドがないため、どうしても自領に加えておきたい城を同盟大名が保持している場合は、「破盟」したうえで城を占領するしかない。また、同盟中の大名の城には自軍の軍団を駐屯させることができるため、「不穏」で城の士気を「0」にしたうえで「破盟」を行えば、即座に敵城を占領することもできる