囲魏救趙作戦

CPUは侵攻よりも防戦を優先するため、敵軍団が自勢力の城に向かってきても、自勢力の別の城から相手の他の城に軍団を派遣すると、敵の軍団は、そちらの救援を優先する。ここでは、この戦略を中国の戦国時代の故事に倣い、「囲魏救趙作戦」と便宜的に呼称する。

これは、斉が同盟軍(趙)の救援の際、直接趙を救いに行くのではなく、趙の攻撃中で手薄になった敵国(魏)を攻撃することで魏の戦力を本国に引き戻し、結果として趙を救ったという一連の事件を四字熟語で表現したものである。

この作戦の効果を即座に理解したい場合は、シナリオ3の浅井家が好都合である。このシナリオでは、織田家がすぐに浅井家の小谷城を攻撃してくるため、この作戦によって織田家の他の城を攻撃するそぶりを見せれば、織田家の侵攻軍団は、その城の救援に向かうため、小谷城への攻撃を阻止することができる。

なお、攻撃するそぶりを見せる軍団は、実際に敵城を攻める必要はない。敵軍団の動向を見て、危機が去ったと思ったら引き揚げさせてしまってもかまわないのである。また、この軍団の兵力は少数でも良いが、あまりにも兵数が少なすぎると、攻め込んだ城から迎撃軍団が送り込まれ、本来の侵攻軍団は、そのまま自勢力の城に攻め込んでくることになるため、ある程度の戦力は必要である。

ただし、この作戦が成功しても、敵の兵力が減少するわけではない。そのため、これで時間を稼いでいる間に戦力を集めるか、同盟を結ぶなどの対策を練らないと、再び攻め込まれることになる。しかし、下記のような状況に持ち込めば、敵軍団を疲弊させ、戦力的な不利を覆すことも不可能ではない。
 
 
魔のヨーヨー作戦

上記の「囲魏救趙作戦」を行うと、敵軍団は自勢力が攻め込もうとした城に向かうが、軍団を撤収すると、敵軍団も再び本来の侵攻先に向かおうとする。これを何度も繰り返すと、ヨーヨーのように敵軍団を行き来させることができる。この戦略を、ここでは便宜的に「魔のヨーヨー作戦」と呼称する。

この作戦を行っている間、敵軍団は兵糧を浪費し続けることになる。うまくいけば、敵軍団の兵糧が尽き、士気が激減するため、戦力的に劣勢であっても戦いを挑むことができる。その意味において、この作戦は大軍団との対峙に向いている。ただし、CPUの軍団は、士気が「30」程度にまで下がると撤退を優先するようになるため、そのあたりのタイミングを考慮しなくてはならない。

なお、本来の「魔のヨーヨー作戦」とは、光栄の『蒼き狼と白き雌鹿・ジンギスカン』の戦術である。このゲームの戦闘は、敵の本隊を倒さないと勝利にならないが、敵の本隊は数が少なくなると、城を捨てて逃走する。本来ならば、自軍は敵本隊を追い続けることになるが、城の防御値が一定以上ある場合、敵本隊は城に戻ってくるため、自軍は、そこを待ち伏せて叩くという算段である。

この「城を捨てる→城に戻る」というUターンをヨーヨーに例えて「魔のヨーヨー作戦」という。この戦術は、同ゲームの攻略本(ハンドブック、ガイドブックなど)に掲載されているものであるため、光栄公式の名称であると思われる。
 
 
地獄のツアー作戦

『戦国夢幻』のルールとして、細い道や海路を通る軍団は、1日につき士気が「1」減少する。このようなルート上にいる軍団に「魔のヨーヨー作戦」をしかけると、敵軍団は移動するだけで士気を減らしていくことになる。ここでは、この戦略を便宜的に「地獄のツアー作戦」と呼称する。

「地獄のツアー作戦」は、「魔のヨーヨー作戦」の発展系の作戦であるため、基本的な特徴は「魔のヨーヨー作戦」に準じる。ちなみに、北陸や東北では、冬になると積雪により、普通の道でも士気が「1」下がり、細い道では「2」下がるようになるため、より効果が高くなる。

なお、「地獄のツアー作戦」の名称も、光栄の『蒼き狼と白き雌鹿・ジンギスカン』の戦術から拝借している。本来の「地獄のツアー作戦」は、ゲームのルールとして兵士数の低下する地形をCPU勢力に通過させることで戦わずに兵士を減らすというものである。これも「魔のヨーヨー作戦」と同じく、光栄の攻略本に見られるため、公式的な名称であると思われる。
 
 
重大な危機

上記の戦略は、いずれも敵勢力の城と2つ以上隣接していることが前提となる。そのため、敵勢力の城に対してルートが1つしか繋がっていない場合は利用することができない。

このような状況で勝ち目のない敵勢力の攻撃を受けた場合、敵勢力との外交関係が「友好」であるならば、即座に「婚姻」を行い、同盟を結ぶという手段がある。『戦国夢幻』では、敵軍団が自勢力の城に向かっている間は、まだ従来の外交関係が保たれており、交戦状態に入ってはじめて外交関係が急変するため、これを利用するのである。

ただし、「婚姻」から同盟の締結に至るまでの間には多少のタイムラグがあるため、敵軍団が自勢力の城に近づいている場合は、同盟を結ぶ前に交戦状態に入り、外交関係の悪化によって同盟が結べなくなる場合がある。

姫がいない場合や、敵勢力との関係が悪く、即座に「婚姻」による同盟が結べない場合、周囲に同盟勢力があるならば、自勢力と同じように通過することができるため、これを利用して上記のような戦略を行うことができる。一方、同盟勢力がない場合は、周囲の勢力と「婚姻」で同盟を結んでも良いが、後々の戦略展開は考慮しておきたい。

それさえもできない場合は、その城を放棄し、城内の物資と武将をあらかじめ移動させ、損害を抑える努力をするべきである。また、その城に知行を持つ武将も、先んじて別の城に知行を移しておきたい。これは、城が陥落すると、その城に知行を持っていた武将の「忠誠度」が大きく低下するためである。