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武将検索

『戦国夢幻』では、武将が「待機」状態になると、メッセージとともに、所属する城にアイコンが出る。城の数が少ない状況ならば、これだけで待機中の武将が誰なのかということも分かるが、領土が広がり、どの城にどの武将がいるのかが確認しづらくなると、いちいち1つ1つの城を確認するようなことはやっていられなくなる。

そのため、「大名コマンド」の「情報」の「武将」から待機中の武将を検索することになるが、これが非常に面倒である。まず、初期のカーソルは左端にあるが、「待機」状態の武将を検索するための「行動」のソートは右端にある。左端から右端にカーソルを飛ばすことはできないため、カーソルを1つ1つの項目をまたぎながら左端に移動させなくてはならない。

さらに、「行動」をソートしても、「待機」の武将はかなり下の方にまとめられるため、今度は下段に移動して武将を確認する必要がある。武将の数が200人や300人ともなると、この作業だけでも相当にストレスがたまってくる処理的に「待機」に近い位置にくる行動をしている武将にカーソルを合わせておくことで多少の手間を省くことができるが、もちろん根本的な解決にはならない。

これについては、待機中の武将がいることを示すアイコンをクリックすることで該当する武将だけを表示させることや、ボタン操作で待機中の武将に移動することができれば、スムースにゲームを進めることができたはずである。また、検索の仕様としても、武将の検索の際に「行動」の欄を左に配置することや、「待機」の表示順を上を上位にすることでストレスも軽減されたと思われる。
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全体マップの移動

『戦国夢幻』は、巨大な1枚のマップを舞台としてゲームが進行する。しかし、ある地点から遠方に対してスムースに目的地に移動する手段がないため、目的の位置までカーソルを移動させ続けなくてはならない。

例えば、近畿から東北の状況をうかがいたい場合、カーソルを右に動かし、東北まで画面を移動させなくてはならないのである。そのため、東西二方面に侵攻を広げていくと、左右に大きくマップを動かしながら情勢を確認しなくてはならなくなり、実に面倒である。

なお、ゲーム中は常に縮小地図が表示されており、どこで戦闘が行われているかが一目でわかるようになっている。しかし、これを利用して遠方に移動するということはできないため、戦況を確認するためには、やはり目的地までマップをスクロールさせなくてはならない。

同じく1枚のマップでゲームが進展する『信長の野望・将星録』では、縮小地図をクリックすることにより、その場所に即座に移動することができた(PC版で確認。CS版は未プレイにつき不明)。これと比べると、『戦国夢幻』では、せっかくの縮小地図も確認用にしか生かされておらず、情報処理的には大きく劣っているという印象を受ける。
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内政の手順

例えば「開墾」に武将を割り当て、再び「開墾」を選んだ場合、先に割り当てられた武将は「開墾」に従事したまま固定状態となり、この状態で「開墾」を解除することはできない。そのため、「開墾」を解除して別の仕事を与えたい場合は、別のコマンドを入力する必要がある。

『戦国夢幻』の内政は、1つの項目に人員を集中しすぎると、作業期間の短縮効率が悪くなり、場合によっては期間が延びる場合すらある。こうした状況を回避するため、内政要員を増員した場合は、一度内政効率の見直しを行いたくなるが、上記の事情により、その手続きが煩雑なものとなってしまう。

このことから、作業効率を見直すためには、いったん全員を現在滞在している城に「移動」させることで待機状態とし、あらためて全員に「開墾」を命じつつ、「内政」の低い武将をチェックして効率を改善していくことになる。上記の2つの問題点と比較すれば、強いストレスにはならないが、仕様として煩雑であることに変わりはない。
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必要な情報の未開示

『戦国夢幻』には、武将の能力と身分の組み合わせから能力が算出されるという興味深いシステムがある。しかし、ゲーム中に能力が実数として表示されるわけではないため、知らなければ体感的なものに留まってしまう。

一応、マニュアルの31ページや51ページに、このことに関する記述はあるが、それほど大きく取り扱われているわけではない。そのため、よほど注意深くなければ、その優劣を積極的に活用する機会も失われてしまうのである。

また、武将の中には「軍師」の補正を持つ者がおり、大名と同じコマンドを実行している場合に大名の特定能力を上昇させることができる。しかし、これも能力が上昇していることは画面上に現れないため、その効果が非常にわかりにくくなっている。これらは、いずれも秀逸なアイデアであるため、もう少し、その存在を誇示しても良かったのではないかという印象を受ける。
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勢力拡張後の作業感

多くの武将を養うためには、武将の数と身分に応じた知行が必要となるが、知行を獲得するためには、領土の拡張が不可欠である。これがゲーム進行のモチベーションを維持させることは評価点に分類した。

しかし、順調に領土を拡大し、一通りの武将に知行を分配すると、もはや敗北する要素がなくなり、やはりゲームに飽きてくる。つまり、『戦国夢幻』もまた、この手のゲームにありがちな、勢力拡大後の作業感や残務処理感からは抜け出しきれていないのである。

その要因として考えられるのは、勝利条件の達成を考えているのがプレイヤーだけであり、CPUは、漠然と領土を拡大しているだけであることが挙げられる。『戦国夢幻』には3つの勝利条件があるため、ある程度有力な勢力は、それぞれの勝利条件を目指す傾向があっても良かったのではないかと思われる。
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CPUの画一性

『戦国夢幻』のCPUは、明確な行動指針を持っておらず、周辺勢力に対する強弱関係だけで行動しているように感じられる。そのため、プレイヤーにとっての他勢力は、せいぜい強いか弱いかといった違いしかなく、自勢力が突出してくると、その個性も薄くなっていく。これも、上記のような中盤以降の作業感の一因であり、CPUの思考には、ある程度のパターンがあっても良かったのではないかと思われる。

例として、『戦国夢幻』は、「税率」に応じて城の「人気」が上がり、これが軍団の「士気」に強い影響を与えるというシステムを採用している。これは軍団の戦闘力の差異を表現する手段としては、単純かつ効果的なものであるが、ほとんどの勢力はデフォルトの「平税」のままであり、システムの有用性を生かし切れていない。

一応、ゲーム中でも北条家が「軽税」、一向宗、本願寺などは「重税」に設定されているが、例えば、真田家や雑賀衆のような勢力が「微税」を選ぶ仕様にした場合、これらの勢力は、兵糧収入の少なさから領土の拡張を行えないが、攻め込めば「士気」の高い軍団と戦うことになり、苦戦を強いられるという仕組みになる。

また、逆に暴虐や奢侈が目立つ勢力は「重税」を選ぶ仕様にすれば、膨大な兵糧と傭兵を抱える一方、頻発する一揆と低い「士気」により、勢力としては破綻している様子を表すことができたと考えられる。
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外交の影の薄さ

『戦国夢幻』の外交は、勢力の強弱関係に応じて、自動的に友好度が補正されるようになっている。これは意欲的なシステムであり、評価するべき部分であるが、ゲーム的には、勢力が拡大していくと同盟を結ぶ必要がなくなり、結果として外交自体を行う必要がなくなってしまうため、この仕様を生かし切れていないように思われる。

さらに、「外交」は「徴兵」や「登用」の判定に適用されるが、兵力を民兵だけで賄えるようになれば「徴兵」を行う必要はなくなり、人材の「登用」も特に「外交」の高い武将を使う必要はないため、どうしても能力値の「外交」の重要性は薄れてしまう。

一応、勝利条件の「同盟統一」を目指す場合は、残る勢力と同盟を結ぶ必要があるため、「外交」の高い武将の出番もある。しかし、それ以外の勝利を求める場合は、本当に「外交」の能力的、コマンド的な意味はなくなってしまうのである。

個人的には、『信長の野望』シリーズの「脅迫」のように、他勢力を傘下に収めるコマンドが欲しかったところである。このようなコマンドがあれば、最後まで「外交」を有効に活用することができるうえ、終盤の戦闘を省いて勢力拡張後の作業感を軽減できたものであると思われる。
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攻城戦の練りこみ不足

『戦国夢幻』の攻城戦は、指針を選択した後、1日ごとに成果が出る形式を取る。この指針には「包囲」、「強襲」、「水攻」、「火攻」、「干殺」の5種類があるが、このうち、「水攻」、「火攻」、「干殺」はデメリットが大きく、それでいて成功率自体も高くないため、非常に使いづらい。つまり、実質的には「包囲」と「強襲」の2種類があれば良いことになってしまう。
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モンタージュ顔の多さ

ここでいう「モンタージュ顔」とは、数種類の顔の輪郭、目や口、被り物のパーツを組み合わせて作られる顔グラフィックのことである。ゲーム性には一切関係ないが、佐久間信盛、佐々成政、伊達成実、長宗我部信親、長宗我部盛親、北条綱成、毛利隆元のような有名な武将もモンタージュ顔である。そのうえ、グラフィック自体もあまり質が高いとは言えないため、残念と言えば残念な仕様である。

しかし、彼らのような武将にモンタージュ顔があてがわれている一方、大崎義隆、小幡信貞、西園寺公広などといった武将には固有の顔グラフィックが用意されている。個人的には、彼らに固有の顔グラフィックを与えるくらいであれば、上記の武将を固有グラフィックにした方が良かったのではないかという印象がある。
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