身分

「戦国夢幻」の身分は、「知行の限界値(=兵士数)」と「能力値の補正」に影響を与える。リンク先の図表を見ると分かることであるが、単純に見た目の能力が高くても、身分が低いと充分な力を発揮することができない。そのため、能力が高い武将でも昇進のための下積みは必須であり、平凡な能力の武将も、身分が高ければ相応に役立たせることができる。
 
 
身分の種類

『戦国夢幻』に登場する身分は、「主君」、「宿老」、「家老」、「奉行」、「重臣」、「与力」、「部将」、「組頭」、「馬廻」、「地侍」、「剣豪」、「忍者」の12種類である。このうち、「主君」は勢力が滅ぼされない限り不動であり、「剣豪」と「忍者」は「主君」にならない限り固定されている。

「主君」、「剣豪」、「忍者」を除いた9つの身分は、功績を獲得することによって「昇進」することができる。上記の通り、『戦国夢幻』における昇進は、兵士数の増加だけでなく、実質的な能力の増強にもつながるため、こまめに昇進可能な武将を確認しておきたい。

なお、「主君」は、あらゆるパラメータにおいて最高の補正を受けるが、1つの勢力には1人しか存在できない。勢力の滅亡によって他勢力の武将や浪人となった「主君」は、「家老」にまで降格してしまう。
 
 
「剣豪」と「忍者」
 
剣豪」は、「戦闘」に「宿老」相当の補正を受けるが、知行の限界は「地侍」相当であるため、兵士数の限界が低い。そのため、戦場ではあまり役に立たないが、軍団に編入しておくことで、軍団長の死亡率を下げる効果がある。このことから、軍団長を戦場に投入する場合は、保険的な意味合いもかねて軍団に編入しておきたい。
 
一方、「忍者」は「謀略」が「宿老」相当の補正を受ける。さらに、「工作」や「計略」を行っても捕縛されず、「負傷」状態となって城から奪取するという能力がある。そのため、「謀略」の高さと相まって破壊工作に役立つだけでなく、特に「内応」などのリスクの高い手段を安心して実行することができるという強みがある。

「忍者」は弱小勢力に対する救済措置の意味もあると思われるが、各シナリオごとに必ず1人が浪人となっている(シナリオ1は松倉城の百地三太夫、シナリオ5は二条城の風魔小太郎、それ以外は日野城の百地三太夫)。宿老相当の「謀略」補正を持つ武将を「地侍」相当の知行で雇用できることも、石高の少ない弱小勢力にとってはありがたいことである。

ちなみに、「剣豪」の「謀略」と「忍者」の「戦闘」は「部将」相当の補正を受ける。また、検証不足ではあるが、いずれも「内政」と「外交」は「地侍」相当であると思われる。
_
 
知行

知行は、特定の武将が支配権を持つ土地である。「主君」を含め、勢力に属する武将は知行に応じて自動的に民兵を補充するため、軍備の最も基本的な要素となるが、その最大値も身分によって決まってくる。そのため、例え能力と身分が高くても、それに見合った知行がなければ戦力にはならないのである。

『戦国夢幻』における知行のルールとして、1人の武将の知行は1城に限られ、複数の城に知行をまたがらせることはできない。また、一度知行を与えた武将は、加増によって忠誠度が上がり、減封によって忠誠度が低下するが、転封しても忠誠度に影響はない。そのため、心置きなく戦闘要員を「強兵」属性を持つ辺境の城に転封させることができる。

なお、知行は一切収入に影響しないため、全ての知行を割り振っても何ら問題はない。また、知行を持っていない武将は「留保」状態となり、「移動」以外のコマンドを行うことはできない。武将に知行を与えることにより、はじめて君臣の誓いを交わしたことになり、コマンドを出せるようになるのである。

ちなみに、武将に知行を与える「知行」のコマンドは、「大名コマンド」と「城コマンド」の双方にある。このうち、「大名コマンド」の「知行」は、自勢力の全ての武将が対象となるが、「城コマンド」の知行は、その城に現在いる武将だけが対象となる。もちろん、「大名コマンド」の「知行」の方が便利であることは言うまでもない。そのため、基本的に「城コマンド」の「知行」を使う必要はないと思われる。
_
 
武将と知行

知行は兵士数に直結するため、戦闘要員に知行を集中させるべきである。しかし、『戦国夢幻』では、身分が能力に影響を与えるため、単に「戦闘」が高いだけでは、充分な戦闘要員とは言えない。そのため、「戦闘」だけではなく、身分も高い武将に知行を優先させることが望ましい。

しかし、知行は、それぞれの城の石高が絶対的な最大値となるため、プレイヤーの思い通りに知行を割り振ることはできない。そのため、無駄を省いて限りある知行を有効に活用する必要がある。

最も基本的な節約法は、戦闘要員以外の知行の増加を抑えることである。上記のように、知行は忠誠度と民兵数に影響を与えるが、知行を下げない限り忠誠度が下がることはない。そのため、戦闘要員以外の武将の知行を上げる必要はないのである。

しかし、新たに家臣を増やす際には、非戦闘要員に高い知行を与えるかどうかということが問題となる。これについては、総知行の余裕や、その時点で必要な武将の能力との兼ね合いになるため、一概に結論を出すことはできない。

また、その城の知行を効率的に運用することも重要である。例えば、知行が8万石の城に6万5千石の「重臣」の知行がある場合、1万5千石の余りが出てしまうが、この「重臣」を他の城に移し、この城の知行を4万石ずつ2人の「与力」に与えれば、余りはなくなる。

逆に知行が7万石の城ならば、与力1人に知行を与えるよりは、重臣に知行を与えた方が余りは少なくなる。特に戦闘要員が昇進した場合は、無駄が出ないように転封を行いたいものである。

このような制限の中で非戦闘要員の知行を抑えつつ、戦闘要員の知行を確保することに『戦国夢幻』の人事の面白さがある。そして、このような事情からも、知行の割り当ては「大名コマンド」の「知行」の方がやりやすいのである。