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 ハンドブック紹介

 

   三國志Ⅵハンドブック 上 政略編  


 ●基本データ
 序の巻
 天の巻(夢、能力とコマンド、兵科と地形効果)
 天の巻(官職)
 地の巻
 歴史読み物
 総合評価 ★★

基本データ

 初版の発行は1998年3月30日。ページ数は奥付と広告を含めて192ページ。『三國志Ⅵ』のハンドブックは上下巻に分かれているが、価格は、これまでと変わらず2000円である。本文デザインは水谷均。原稿執筆は金子隆、はせべゆたか、葉月葉、森下翠、黄巾イレギュラーズ。目次によると、本書は全ての内容が4つの項に収められている。しかし、本稿では、2編の歴史読み物を抜き出し、別項で取り扱うものとする。

序の巻

 3~64ページ。7項目でゲームの概要と各シナリオを紹介する。今回はグラビアも本項内に含まれており、「永安の劉備托孤群像」、「官渡古戦場跡に建つ曹操像」、「長江の夕日」に対し、それぞれ『三國志』の「蜀書」、「魏書」、「呉書」からの引用文を写真の説明としている。

 「天の時」、「地の利」、「人の和」は、それぞれで本作のゲームシステムを紹介しているが、「地の利」の12ページには、1ページをまるまる使った全土地図が載っている。これは、シナリオ解説で都市名を確認する際や都市解説で全体図を把握する際に有用となる。

 シナリオ解説については、勢力内の有力武将が「KEYMAN」として1シナリオ1勢力につき1人紹介されるようになったが、データの表示は有力勢力だけとなり、弱小勢力は「その他の群雄」として、まとめて扱われるようになった。また、引き抜きやすい武将の紹介、プレイヤーの技量に応じた推奨勢力、新君主旗揚げの推奨都市などの記述もなくなり、『三國志Ⅴハンドブック』に比べると情報量は低下している。

 ショートシナリオについては、その意義がコラムの「ショートシナリオを遊べ!(64ページ)」で語られている。攻略そのものは、1シナリオにつき見開きで国データ、勢力図、歴史的背景、攻略法の解説、キーパーソンとなる武将4人が紹介されている。ちなみに、今回参考にした初版ではシナリオ3の勢力図が上下逆になっているという不具合がある(54ページ)。

 なお、シナリオ7の「出師の表」では、「群雄」コマンド(「特別」の一部)を活用するため、諸葛亮を成都に留めるべきとしている(63ページ)。しかし、期間の短いショートシナリオで「会見」をする必要はなく、「謁見」、「官爵」などはますます不用であると言える。つまり、史実通り諸葛亮は前線に出て指揮を執った方が良いということである。

●天の巻(夢、能力とコマンド、兵科と地形効果)

 65~96ページ。13項目で国政、軍事、戦闘などを解説する。ただし、「外交」に関してだけは、78ページの文中に解説があるだけで、表などを活用した詳細な解説はない。解説は地の文に戻ってエンターテイメント性は失われ、情報そのものも基礎レベルに留まっている。特に『三國志Ⅴハンドブック』と比較すると、情報公開の後退は目に余るものがあり、手抜きといっても差し支えはない。

 その中でも特に重要な情報としては71ページの「武将の夢と不満度の変化傾向」が挙げられる。要点だけを記すと、「礼教主義(王佐、大義、才幹」は「外交」で「不満」が下がり、「計略」で上がる。「中庸主義(割拠、維持、安全)」の武将は「内政」で「不満」が下がり、「軍事」で上がる。「覇権主義(覇権、征服、出世)」は、「軍事」で「不満」が下がり、特に「不満」が上がるコマンドはない。本作では、能力ではなく、これらの「夢」に沿った指示を与えることが重要となる。

 また、67ページの「武将能力と対応コマンド」にも注目したい。ここでは、「内政」の各コマンドに「統率」が影響すること「治安」は「武力」に依存する点に注目したい。また、「外交」は「政治」の他に「魅力」が影響を与えるようになり、「計略」では「知力」が影響を与えるが、「駆虎」と「扇動」は「政治」の高さも反映されるようになっている。

 83ページの「兵科と地形効果」も重要である。「歩兵」の能力を基本とした場合、「山岳兵」と「水軍兵」は特定地形に対する歩兵の上位互換であり、「山岳兵」は森と山、「水軍兵」は水上で優勢を得ることができる。さらに水上では、「水軍兵」以外の兵科の全てが弱体化する地形でもあるため、「水軍兵」の有利は圧倒的なものとなる。ちなみに、本作の「水軍兵」の湿地帯での戦闘力は、他の兵種と同じく、最低レベルまで弱体化してしまう。

 「騎兵」は平地、草地、道、田畑、街、橋などの他、1段階目の山でも歩兵に対して優勢を保てるが、森や2、3段階目の山では逆に不利となる。つまり、騎兵を使う場合は森や山に入るのは得策といえず、逆に敵が騎兵を使ってきた場合は、これらの地形で戦うと有利に戦いを進めることができる。なお、異民族専用兵種の「鉄騎兵」は「騎兵」、「山越兵」は「山岳兵」、蛮族兵は「歩兵」の上位互換であり、それぞれ攻撃力が高くなっているが、防御力は下位兵種と同じである。

天の巻(官職)

 89ページには、官職の一覧表と官職を得るための後漢皇帝からの要求の一覧、王や皇帝になるための手段が掲載されている。基本的に官職は1段階ずつしか上昇しないため、禅譲による皇帝の即位を目指すのであれば、官職の高さを把握しておくことは重要である。

 その際に後漢皇帝から要求される条件についても一覧表が掲載されているが、どれが選ばれるかはランダムであるため、リスクの少ないものが出た時に要求を受け入れたい。

 また、後漢皇帝を擁立した状態で公、王、皇帝に即位するためには、後漢皇帝の「人徳」を下げておく必要がある。これは後漢皇帝からの要求を拒否することで低下するが、そのたびに礼教主義者の「不満」が増加する。そのままだと礼教主義者の家臣が次々と憤死しかねないが、これは彼らを長期の「捜索」や「埋伏」に出すことで回避することができる。

 なお、公に就任するための手段は本書には掲載されておらず、「下巻」にコラムを設けて解説している。「下巻」にも同じようなことを書いているが、故意であれ過失であれ、こうした情報の分割は、あまりほめられたものではないと思われる。

地の巻

 97~154ページ。2項目で各都市のデータを紹介する。各都市は1ページで歴史的背景、ゲーム中の注意点、攻城戦時のマップと隣接都市、各シナリオごとの群雄名、太守名、その他の都市データと兵士数が掲載されている。

 都市の紹介と都市データが一括化されたことは、そのページだけで1つの都市のデータを完全に把握できるという点で評価することができる。また、「開発」と「商業」に関しては、シナリオ1の欄で都市ごとの最大値とシナリオ初期値を表示し、以下はシナリオ初期値だけを記すことで、都市の発展具合を分かりやすくしている。

 『三國志Ⅴハンドブック』の都市データの項では、シナリオ初期値の「開発」と「商業」は「最大開発」と「最大商業」から離れており、これらを対比するのは多少面倒であった。また、「最大開発」と「最大商業」はシナリオごとの変動はないが、全てのシナリオに掲載されており、列の無駄遣いでもあった。これらの点において、本書は『三國志Ⅴハンドブック』よりも進歩していると言える。

●人の巻

 155~189ページ。3項目で本作に登場する武将のデータを紹介する。メインとなる武将データは、見開きで基本能力、夢と主義、各シナリオの所属勢力と所在地、一騎討ちの作戦が掲載されているほか、マスクデータである特殊能力も公開されている。ちなみに、能力値は最大値のみが掲載されており、各シナリオ開始時の能力は下巻に記述がある。

 本項には、ゲーム中で能力や「夢」が表示されない異民族王と異民族武将のデータも掲載されている。いずれも王の「夢」は「征服」、武将の夢は「義侠」、能力値は「統率」と「武力」が「80」、その他の能力は「50」で固定されている。特殊能力や一騎討ちの作戦はもたず、マスクデータは不明である。

 また、本項には武将ランキングも掲載されている(188~189ページ)。今回は、上位20位までと下位10までの武将の紹介だけでなく、平均値に相当する武将も紹介されている。これによると、本作の武将の平均能力値はいずれも58~59程度である。

 ちなみに、本作の総合ワーストは曹豹の「150」である。また、同じくワーストの常連の劉禅の能力値は「177」でワースト10位である。これは黄巾賊の高昇と同じ合計値であるが、他の作品に比べると、多少能力は高めであるという印象を受ける。

歴史読み物

 本書の歴史読み物は2編である。「後漢・三国の官職と爵位(92~96ページ)」は、本作でクローズアップされた官職と爵位の歴史的背景を解説する。執筆は金子隆であることが明記されている。その官職に就任した武将の名前も細かく記載されているため、これらの基礎知識を身につけようとするならば、有用であると思われる。

 「三国志の女たち(150~154ページ)」は曹操の正妻であった丁氏、曹丕の正妻であった甄氏、曹操の娘で献帝に嫁いだ曹節の3人の生涯を取り上げる。こちらも、執筆者として森下翠の名が明かされている。

総合評価 ★★

 『三國志Ⅵ』のハンドブックは上下巻に分かれているが、本書でほぼ必要な情報は出そろっている。 もっとも、本書のコマンド関連の情報は、「外交」関連も含めて『三國志Ⅵマスターブック』に詳細な情報が掲載されている。これらの情報を求めるならば、『三國志Ⅵマスターブック』を購入した方が良い。

 本書と『三國志Ⅵマスターブック』を比較した場合、本書のみで得られる情報は「兵科と地形効果」と都市データ程度である。あとは歴史読み物くらいしか評価するべき点はない。さらに本書は文章そのものに趣向を凝らしているというものでもないため、現在において購入する価値は低いと言える。

 本書の最大の問題点は、前述の通り、後発の書籍によって情報が陳腐化していることにある。はじめから『三國志Ⅵマスターブック』レベルの情報を本書に掲載していれば、このような事態を回避することができただけでなく、『三國志Ⅵマスターブック』には別の情報を掲載し、より情報の密度を濃くすることもできたはずである。そうした意味において、『三國志Ⅵ』の攻略本における情報の分割は失敗していると言える。


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