三国志3 三国志III 三國志3 三國志III

 ハンドブック紹介

 

   三國志Vハンドブック  


 ●基本データ
 グラビア
 第一章 三國志Vの世界
 第二章 中国全土平定の道・1
 第二章 中国全土平定の道・2
 第二章 中国全土平定の道・3
 第三章 常勝への道・1
 第三章 常勝への道・2
 第三章 常勝への道・3
 第四章 秋風五丈原―その後
 第五章 新君主誕生
 第六章 中国風土記
 第七章 武将人物録
 総合評価 ★★★★

基本データ

 初版の発行は1992年6月15日。本項では1993年8月10日に出版された第6版を参照している。定価は1860円。ページ数は奥付を含めて192ページ。本文デザインは水谷均、本文執筆は蝦名雅人、与志田拓実、金子隆、大蟻食、太田康介、川合章子、渡辺さおり、光栄出版部。グラビアと各章の扉絵は正子公也が担当している。

 2ページの目次によると、本書の内容は全7章に収められている。このうちメインコンテンツとなるのが国政を解説する「第二章 中国全土平定の道」と軍事を扱う「第三章 常勝への道」であり、この2章で全体のおよそ3分の1を占める。また、目次には掲載されていないが、 3〜8ページはカラーグラビアになっている。

グラビア

 3〜8ページ。正子公也によるカラーグラビア。「覇(呂布と貂蝉」、「闘(劉備三兄弟VS呂布)」、「進(北伐に臨む諸将)」、「志(姜維)」の4枚。ちなみに、「進」で整列している武将は、名前が出ているわけではないため、誰が誰なのかはわからない。しかし、蛇矛と青龍偃月刀を持つ武将がいることから、彼らが張苞と関興であることが分かる。キャラクターを表す記号の重要性を認識させられた次第である。

第一章 三國志Vの世界

 9〜22ページ。6つのシナリオの解説とゲームモードについて。シナリオ解説には勢力図と全勢力の初期戦略の解説がある。引き抜きやすい太守(太守を引き抜くと、その国を太守ごと確保することができる)に関する情報は有用であると思われる。

 ゲームモードを解説する「プレイモードの違い」では、前作に続いて採用されている「史実モード」と「仮想モード」の違いと、新武将を使った楽しみ方の一例を提示する。ここでは、里見八犬士を作り、マルチプレイで彼らを集める「八犬士を捜せ!」と大喬と小喬を登録して彼女たちを捜す「大喬・小喬を配下に……」を紹介している。なお、本作では、新君主でプレイしない場合は「仮想モード」でプレイしないと新武将を登場させることができない。

第二章 中国全土平定の道・1

 23〜60ページ。本項では6項目から本作の概要と国政を解説する。なお、扉には「第1章」とあるが、これは明らかな誤りであると思われる。また、本項内では計略の項目が「権謀術数」になっているが、目次では「権謀術数を駆使する」であり、これも誤りであると思われる。

 全体的に見た場合、29〜37ページの「MAINコマンド活用法」は、本当にコマンドを解説しているだけであり、あまり意味がないように思われる。図表などについては、53ページの「敵対心の変化一覧」、55ページの「アイテムの効用とその効果」、59〜60ページの武将の能力およびマスクデータのベスト20とワースト10などが有用と言える。ただし、「アイテムの効用とその効果」には、アイテムの説明はない。

 本作は、農業関係が複雑化しており、本項でも、その説明にページを割いている。これについては後述するため、ここでは省略する。その他に内政面で注目するべき要素としては、複数人に内政を担当させた場合、それぞれの「相性」によって効率に補正がかかる点(38ページ)が挙げられる。また、武将を長期間従事させるほど効率が良くなるため、内政は軍師よりも文官に行わせるべきである(軍師は長期間の内政ができない)。

 「商業」については、その都市の人口が多いほど伸び率は悪くなるが、人口が多いと収入そのものが多くなる。また、「民忠誠度」も収入に影響を与えるため、これも高い方が良い(41ページ)。

第二章 中国全土平定の道・2

 本作の農業関係のデータは「開発」、「耕作」、「治水」、「灌漑」の4つがある。このうち「開発」は、開発可能な土地の広さを示す。つまり、「開発」を上げると未開発の農地が増えるのである。そのため、相対的に「耕作」の効率は落ち、「治水」は低下する。

 「耕作」は、「開発」に対してどれだけ農作物を植えたかということであり、7月に農作物を収穫すると「0」に戻る。「灌漑」は、農地に対する水の行き届き具合を表す数値であり、「治水」によって上昇する。「治水」自体には、前作までのように洪水の被害を抑える効果しかないが、本作では、間接的に収入に寄与するということである(39〜40ページ)。

 しかし、これらの数値を高めたとしても、収穫の上限はマスクデータの「肥沃度」に左右されるため、結局は「肥沃度」の高い土地で開発を行うのが効率的であるということになる。他の数値が最大の場合、「肥沃度」による収穫の差は6万〜20万程度にもなるという(40ページ)。「肥沃度」については本書に掲載されていないため、ここでは省略するが、今日では、攻略サイトなどで確認することができる。

 本作の兵糧収入は、「耕作」の分とは別に税として民衆から徴発する兵糧があるため、「耕作」が「0」でも収穫がないということにはならない。こちらの収穫は、やはり「肥沃度」の他、税率、人口、太守の「魅力」などが影響する。こちらの最大収穫量は10万ほどである(40ページ)。『三國志V事典』では、「耕作」は勢力ごとの私有地からの収入であり、屯田制の表現であると解釈している(72ページ)。

第二章 中国全土平定の道・3

 「外交」に関しては、前作と同じく使者の「魅力」が適用される(53ページ)。また、注目するべき事例として、「降伏勧告」は、史実モードの曹操、曹丕、劉備、孫堅、孫策、孫権、董卓には絶対成功せず、モードを問わず、初級で2万、上級で3万の兵士を保有する兵力にも通用しない。ちなみに、本書において難易度の話題が出てくるのは、ここだけである。

 また、「降伏勧告」は相手の敵対心を上げる効果がある。本作では敵対心が「40」未満の相手に「同盟破棄」行うと、家臣の忠誠度、兵の士気、民忠誠度が低下する。そのため、「同盟破棄」は「降伏勧告」で敵対心を上昇させた後に行いたい

 「計略」については、前作と同じく、軍師の能力が計略の成功率に影響を与える(45ページ)。計略の内容自体も前作と全く同じであるが、「偽書疑心」については、目標都市の太守の「知力」、対象武将の「冷静(マスクデータ)」の他、使者の「政治」も影響を与えるという(46ページ)。

第三章 常勝への道・1

 61〜98ページ。5項目で軍備、戦闘、戦後処理を解説する。また、バトルレポートも本項内に含まれるため、合わせて6項となる。軍備において注目するべき点は、「徴兵」と「募兵」は1ターンにどちらか1回しか行うことができず、「徴兵」は武将の「武力」、「募兵」は武将の「魅力」が適用される。武将2人で兵を集めた場合、いずれの場合でも1人あたり能力の56%の100倍が募集人数となる。

 つまり、2人で兵を集めれば、能力の112%で計算が行われることになり、合計値が同じ武将1人で兵を集めるよりも、効果は高くなる。ただし、これも内政と同じく、武将の相性による修正が施されるようである。

 兵科に関する事項として、「騎馬」は他の兵科に対して2倍の攻撃力を持ち、機動力は「8」で固定される。「弩」の射程は「2」、「強弩」の射程は「3」で「弩」の1.5倍の間接攻撃能力を持つ(76ページ)。また、火矢は火がつくかどうかにかかわらず、通常の間接攻撃の1.5倍の攻撃力となる。ちなみに、間接攻撃は距離が近いほど攻撃力も高くなるため、可能であれば「強弩」も射程を詰めた方が良い(78ページ)。

 戦闘中の兵糧は、1日に3回(朝、昼、夜)消費される。その総量は、1日あたり攻城戦で総兵力の10%、野戦では5%となる(72ページ)。しかし、共同軍が到来した場合、共同軍の兵糧もプレイヤー勢力の兵糧から賄われるため、攻撃の際に共同軍を依頼した場合は、兵糧を多めに用意したい(87ページ)。

第三章 常勝への道・2

 本作の一騎討ちは、武将の「武力」だけでなく、部隊の「士気」も影響を与えるようである。また、73ページの「一騎討ち三選」では「(一騎討ちの)公平を保つために、訓練度100・兵士士気100で行う」とあり、「訓練度」も一騎討ちに影響を与えている可能性がある。なお、CPU勢力の武将は申し込む武将に対して「武力」が均衡していても、「知力」が高い場合は一騎討ちを拒みやすくなるようである(79ページ)。

 火計のダメージについては、火計を受けた時点で最大3%、火の中で次のターンを迎えると最大20%のダメージを受ける。さらに、兵科によるダメージ修正があり、「騎馬」が最も被害が多く、以下、「強弩」、「弩」、「歩兵」となる。また、兵糧を任せた部隊が火計を受けた場合、兵糧は火計を受けた時点で最大10%、火の中で次のターンを迎えると最大30%減少する(80ページ)。

 その他のダメージ効率を見て行くと、「伏兵」による奇襲はダメージが3倍となり、自部隊は無傷、成功率は指揮能力、「士気」、マスクデータの「幸運」に由来し、朝、昼、夜の順に成功率が高まる(79ページ)。退却時に「追撃」を受けた場合のダメージは約30%、武将も負傷することになるが、これによって武将が捕まることはない(80ページ)。「落とし穴」のダメージは、知力に応じて15%〜40%となる(81ページ)。

 「外交」の「共同作戦」が成功した場合、共同軍は2〜4日ほどで戦場に到着する。これは、戦略画面上のルートの長さとは関係ない。共同軍に対する報酬は「部隊数×目標都市の備蓄金と兵糧の5%」であるため、5部隊を送り込めば25%の物資を獲得することができる(86ページ)。

●第三章 常勝への道・3

 93ページの「旅人の素顔」では、本作に登場する9人の旅人の略歴を紹介している。前作の旅人が3人(華佗、許子将、司馬徽)であったのに対し、本作では3倍に増えた計算になる。追加されたのは于吉、管路、吉平、左慈、紫虚上人、李意の6人であるが、吉平と李意は本作にしか登場しない。

 仮想バトルレポート「呂布吠える!」は、シナリオ2の呂布によるリプレイである。全体的にコミカルにまとめられているが、これは陳宮による「愛される呂布」育成計画であったというオチがつく。

 プレイにおいてみるべき点としては、まず「援助」の多用が挙げられる。本作の「援助」は、同盟勢力から物資を獲得する手段であるが、ほぼノーリスクで相手の物資が減り、その分だけ自勢力の物資が増えるため、ゲームバランスを崩壊させかねない。

 本書でも「あまりにも邪道である」、「英雄らしからぬ行動である」、「一国の君主ならば、英雄としての誇りをもって行動し、王道を突き進んでほしい」などと書かれてしまっている(28ページ)が、有用な手段であることは間違いなく、後は完全にプレイヤーのこだわりの問題であると言える。

 その他には、7月の収穫期を狙って攻め込み、敵が物資を消費する前に増えたばかりの物資を獲得する手法も、基本的ではあるが有用である。また、順調に勢力を拡大した後、曹操と一戦をまみえるはずであったが、1月の俸禄不足によって兵が逃走すると、即座に、揚州の弱小勢力を叩く方向に戦略を転換している。状況に応じて最善策を模索し、方針を完全に切り替える思い切りの良さも評価に値すると思われる。

第四章 秋風五丈原―その後

 99〜106ページ。歴史読み物。副題は「姜維の智謀、そして慟哭」。姜維の前半生に触れつつ、蜀滅亡時の彼の行動を話題の中心とする。ここでは、姜維を「自分の能力以上の負担を背負った人物」と位置づけ、その才覚を越えた無謀な反乱計画により、身を滅ぼしたとする。

 姜維の反乱計画の失敗については、あまり語られることはないという印象がある。しかし、先んじて劉禅が無血開城を決意したことと関連付けて考えるのであれば、姜維の行動によって成都の宮中は大動乱に巻き込まれ、自身も含めた大量の死者を出した。それは「主君の意に真っ向から逆らうことになった(106ページ」と言えるものである。

 本項において、姜維は劉禅と比較される。劉禅と司馬昭のやり取りについては「単なる暗愚」から「暗愚のふりをした」とまで様々な解釈があるが、本項では「庸才であることを自覚した庸才(106ページ)」として、自分の身にあった発言をしたと解釈している。その結果として、劉禅は余生を安楽に過ごすことができた。このことから、本項では劉禅を「大賢は大愚に似たり(106ページ)」と評価する。

第五章 新君主誕生

 107〜112ページ。バトルレポートを含めた2項で本作の「新君主」のシステムを紹介する。本作では、新君主の配下となる新武将も作成できるようになったが、能力値はスロットで決まるため、高い能力を出すためには根気が必要である。

 なお、本作では、「君主」と「軍師」、「将軍」以外の身分の武将を太守にすると、強制的に委任状態となるため、新武将も「軍師」や「将軍」に就任できるようにしておきたい。本作の「軍師」は「知力」が「80」以上、「将軍」は「戦闘」が「85」以上か、「陸指」と「水指」の平均値と「魅力」の合計値が「120」以上であることが条件となる(58ページ)。

 新君主バトルレポート「劉備、暁に起つ!」は、シナリオ1を舞台に新君主の「劉備」が新武将の「関羽」、「張飛」、「諸葛亮」を従え、本物の劉備を打倒するところまでを掲載している。これは、単純に発想そのものを楽しむべきであると思われれる。

 攻略的に見るべきところとしては、劉備と同盟を結び、「援助」で物資を搾り取った後、弱まったところで「同盟破棄」によって劉備を攻め滅ぼす手段が挙げられる。もちろん、前述の通り、「勧告」を行い、敵対心を上げることも忘れてはいない。これは、ただでさえ反則気味の「援助」を、敵の弱体化に用いるという手法である。

 また、112ページ左側の写真には、新武将たちの能力が掲載されているが、「張飛」の「知力」「81」もあり、「諸葛亮」の「知力」が「88」止まり(「諸葛亮」は110ページにもデータが掲載されている)など、能力値のランダム性の妙がにじみ出ている。なお、後継作では、登場武将と同じ名前の新武将を登録することができないものもあり、こうした遊び方はやりにくくなっている。

第六章 中国風土記

 113〜144ページ。本作に登場する46の都市と22の戦場をマップを中心に紹介する。本作から、全ての拠点に地名が割り振られるようになったため、本項でも全ての地名に歴史的背景の解説がある。また、ここにはデータは掲載されておらず、巻末の「都市データ一覧」にまとめられている。

 なお、その拠点の位置関係は、周辺の隣接している拠点だけが略図で表されている。そのため全土から見た位置関係は分かりにくくなってしまっている。せめて最初のページにでも、全土から見た各拠点の位置関係を掲載してほしかったと思うものである。

第七章 武将人物録

 143〜191ページ。表題の「武将人物録」は、本作に「イベント抜きで」登場する531人の武将の略歴を紹介している。なお、58ページにもあるように、本作の全登場人物は544人である。531人の武将を除く13人のうち9人は旅人であり、93ページの「旅人の素顔」で紹介されている。

 残る4人のうち、2人は献帝と貂蝉である。彼らは本書には掲載されていないが、『三國志V武将FILE』や『三國志V事典』に記事がある。ちなみに貂蝉に関しては、本作にも隠しイベントがあり、イベントによって武将として使えるようになるらしい。ただし、本書には、このイベントに関する記述は一切ない。残りの2人は不明であるが、メガCD版などの追加シナリオに登場する何進と丁原なのではないかと思われる。

 「武将人物録」そのものに関しては、武将の略歴しか紹介されておらず、データは「武将データ一覧」にまとめられている。また、略歴については出典が明記されておらず、武将ごとに正史と『三国志演義』の事績が入り乱れている。中には関興が正史基準、張苞が『三国志演義』基準という例もある。能力が併記されていないこともあり、『三國志Uハンドブック』の「三國志武将名鑑」に比べると、大きく完成度は落ちる印象がある。

 「武将データ一覧」は、基本的な能力だけでマスクデータは掲載されていない。登場シナリオについては「出るか出ないか」が「○」と「×」で表されているだけであり、シナリオごとの所在地などは掲載されていない。

 「都市データ一覧」は、『三國志』シリーズの「ハンドブック」としては、本書ではじめて導入されたデータである。シナリオごとに全都市の各パラメータが掲載されているが、一律で「40」の「税率」と「0」の耕作の項は不要であったと思う。データ内には所属君主の項(君主名)はあっても「太守名」の項はないため、できればこちらの情報が欲しかったところである。

総合評価 ★★★★

 全体的な情報のバランスは良い。本書1冊あれば、本作の基本的な概要は理解できるものと思われる。また、「中国風土記」において、全土の拠点に歴史的背景の解説を行った点は、これまでにはない要素であり、この点は高く評価できる。

 一方、最大の問題点としては、「貂蝉イベント」、「皇帝僭称」、「三顧の礼」などの歴史イベントに対する説明が一切ない点が挙げられる。また、歴史的背景についても、『三國志Uハンドブック』と同じく、全体的な歴史の流れについては解説がなされず、断片的な情報に留まっている。また、武将の解説については『三國志Uハンドブック』よりも完成度が低くなっている点も残念である。


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