ハンドブック紹介

 

   信長の野望戦国群雄伝 ハンドブック  


 ●基本データ
 はじめに
 一瞬の五十年・織田信長
 英雄降臨
 富強極意
 幕下掌握
 兵法指南
 戦国騒乱・1
 戦国騒乱・2
 天下邁進
 ●本能寺脱出!
 もうひとつの『戦国群雄伝」
 戦国群雄事典
 戦国群雄在世年表
 国力一覧表
 総合評価 ★

基本データ

 初版の出版は1989年4月20日。本項では、同年6月15日発行の第3版を参照している。ナンバリングは「4」、大見出しは10個であるが、数字は割り振られていない。奥付によれば、本文デザイン・レイアウトはamargo/井原眞司、イラストも井原眞司であるが、執筆者の記述はない。定価は1860円。ページ数は広告と奥付まで含めて208ページである。

はじめに

 2〜3ページ。キャッチフレーズは「いま、群雄たちのおたけびを聞け!」。『戦国群雄伝』が『全国版』の反響を元に、プレイヤーの声にこたえる形で新要素を追加した作品であり、本書は、それによって複雑化した要素を理解し、楽しむための手助けとなるべく企画されたことを解説する。また、本書が単なるゲームの攻略本ではなく、戦国時代そのものを体感するというコンセプトも、『全国版』のハンドブックをを引き継いでいる。

一瞬の五十年・織田信長

 5〜16ページ。カラーグラビア。全4項目であるが、その前後に序文と結びがつく。「奇跡!!雨中の逆転劇(桶狭間の戦い)」、「忍耐!!美濃攻略戦(斎藤家との確執)」、「激突!!姉川大血戦(姉川の戦い)」、「轟音!!鉄砲三千丁(長篠の戦い)」という4つのテーマのもと、それぞれのテーマを文章で解説しつつ、現存する史跡を紹介している。

 写真や絵画を交え、文章によってゲームのイメージを表現する試みは、『三國志ハンドブック』から行われている。しかし、『三國志ハンドブック』のカラーグラビアで用いられた写真が完全にイメージソース的なものに過ぎず、各項のテーマとは直結していないのに対し、本書の写真は、それが何であるかという解説が加えられ、文章との関係性を明らかにしている。その点において、表現の進歩が見られるように思われる。

英雄降臨

 17〜25ページ。5項目でゲームの基本システムを解説する。「戦国群雄伝の世界」は、本項の概略、「ゲーム開始時の留意点」はゲーム開始時の各種設定を解説している。

 ここでは、わずかだが「ゲームレベル」の説明がある点に注目したい。光栄の攻略本において、ゲームレベルの違いを解説することはほとんどないためである。ちなみに、『戦国群雄伝』のゲームレベルは「戦略の妙」の他、コマンドの情報、外交、謀略の成功率、各種イベントの発生率に影響するという(19ページ)。「戦略の妙」の具体的な内容が気になるが、それに関する説明はないのが残念なところである。

 「ゲームの構成要素」は、武将と国の数値的要素の解説、「ゲームの進め方」は政略や戦闘などのゲーム画面と季節、突発イベントなどの紹介、「大名の死亡と後継者」は、大名が死亡した場合、後継者を選択することができる条件を説明する。本作では、大名の交代は2回しか行えない点に注意したい(24ページ)。

富強極意

 25〜48ページ。7項目。戦略画面のコマンドのうち、「開発」、「取引」、「外交」、「謀略」、「軍事」、「その他」の6部門を解説する。また、「上手に使おう行動力」では、本作の肝となる「行動力システム」の効率的な運用を紹介している。

 「上手に使おう行動力」以外の6項は、基本的にコマンドの解説であり、マニュアルの延長線上のものでしかない。その中から、ある程度有用な情報を引き出すと、各種の「開発」コマンドは、最低でも政治力が「50」ないと効果を期待できない(27ページ)、「取引」の「借金」の返済は3月になった時点であるため、3月に借りるのが最も金利が低くなる(32ページ)、「外交」の「貢物」による友好度の上昇は金額の5%程度(37ページ)、本作ではCPUも「謀略」の「暗殺」を使うが、プレイヤーには使ってこない(39ページ)などがある。

 また、行動力に関連した事項としては、城主の行動力が「10」を切った状態で敵に攻め込まれた場合、無条件で敗北となるため、戦争の総大将の行動力は「戦争」コマンドに必要な「40」と最低限侵攻に対応できるだけの「10」を合わせた「50」が必要なこと(43ページ)、行動力の回復量は「政治」の約30%であり、最大値は200であることなどに注目したい(47ページ)。

幕下掌握

 50〜60ページ。2項目。原則的には戦略画面のコマンドのうち、人事に関連したものを取り扱っている。「人材登用、家臣取立ての鉄則」は、コマンドとしての「人材捜索」と「人材登用」のほか、「浪人の仕官」、「寝返りと捕縛」、「脅迫による登用」と、ゲーム中のあらゆる人材確保の手段を網羅している。

 「天下統一のための人材管理術」では、「家臣解任」、「家臣に褒美を与える」、「家臣教育」、「城主交代」など、武将の管理面のコマンドを紹介する。ここでは「家臣教育」には対象武将の能力よりも同じ能力が「5」高い武将が必要であること、国データの「文化」が効果に影響を与えることに注意したい。

 「軍師はどこまで信用できるか」は、軍師の助言の信憑性について。確実なのは、「年貢率の決定」による民忠誠度の変化予測と「浪人の仕官」の際の人物評価くらいであるという。また、左側には「幻の軍師たち」と題したコラムがあり、軍師としての山本勘介と宇佐美定満の虚構性を認めたうえで彼らに高い能力を与えた理由を「光栄スタッフのロマンチシズムの表現(60ページ)」と明かしている。

兵法指南

 61〜80ページ。目次では4項目であるが、ここでは「とっておきの特殊戦法」を独立した項目として扱う。本項では、戦闘準備から戦闘時の各種コマンド、野戦と籠城戦のテクニックを紹介している。「戦の前にすべきこと」は、攻め込むべき国の選定、外交などの下準備、武将と総大将の選択、野戦辭の武将の配置を取り扱う。

 「戦闘コマンドの使い方」は、各種の戦闘コマンドを解説しているが、地形効果の一覧も、この項目で扱われている(67ページ)。野戦の城、籠城戦の本丸と矢倉の地形効果は国データの「城防御」によって変動することが記されているが、その具体的な数値は明らかにされていない。ここでは、「伝令」の「密偵」の成功率は低く、武将が自発的に寝返る確率と変わらないという点(71ページ)に注目したい。

 「野戦のテクニック」は、伏兵、夜戦の他、CPUに籠城させないテクニックや武将の謀反(『戦国群雄伝』では武将が謀反を起こすとHEX戦に移行する)の対処法なども取り扱っている。兵士が「0」の武将でも謀反を起こすと兵士が補充されるため安心はできない。そのため、危険な武将は以降のシリーズのように飼い殺しにしておけばよいというものではなく、「家臣解任」を使う必然性が生じる。

 「籠城戦のテクニック」は、事実上、「攻城戦のテクニック」である。突撃によって移動距離を稼ぐ手法や足軽隊の城壁越えなど続編の『武将風雲録』や『天翔記』でも通用するテクニックは、すでにこの時点で確立されている。

 「とっておきの特殊戦法」では、不要な武将を戦場に投入し、敵に捕らえさせるか殺させることで「武将解任」の手間を省く「まとめて解雇作戦」、籠城戦で城主が足軽の場合、城壁越えを利用して本丸から逃げ出し、時間を稼ぐ「逃げるが勝ち作戦」、孤立した国から本国と隣接した国に攻め込み、「退却」コマンドで本国に撤退することにより、本国との合流を目指す「トランジット作戦」、ゲーム開始時に豊かな国に全力で攻め込む「国交換作戦」の4つが紹介されている。後発のシリーズでは、本丸の占拠が攻城戦の勝利条件となったため、「逃げるが勝ち作戦」は使えなくなっているが、ほかの作戦は続編でも有用なことが多い。

戦国騒乱・1

 81〜160ページ。2項目。「全38カ国完全解説」は、『戦国群雄伝』に登場する38の国の統治者の略歴、国ごとの初期戦略、国と所属武将のデータ、野戦マップと籠城戦マップ、シナリオ2の情勢をまとめている。

 ここで問題になるのは、シナリオ2のデータが極めて簡略化されていることである。国データは205ページに一覧が記載されているからまだ良いが、本書において、シナリオ2の武将データは一切記述がない。さらに『戦国群雄伝』では、シナリオ1とシナリオ2で能力値が相当変わってくる武将も多く、シナリオ1の武将データも役には立たない。また、浪人に関するデータも一切ない。ゲームの攻略本として、これらの問題点は非常に大きいと思われる。

 ちなみに、統治者の顔グラフィックは、顔グラフィックの部分だけをトリミングしたものが使用されているが、ドットの荒さに対して輪郭が不自然になめらかであるうえ、各所に背景のドットが残っており、あまり見栄えは良くない印象がある。これならば、最初から背景付きの顔グラフィックでも良かったように思える。また、オーラを纏っているようにしか見えない斎藤義竜の顔グラフィックも、当然背景が省略されてしまっているのが残念である。

戦国騒乱・2

 その他の細かい注目点としては、本願寺光佐の治める加賀の城が以降のシリーズの尾山御坊ではなく、高尾城(たこじょう)になっていることが挙げられる(111ページ)。高尾城は、一向一揆に攻め滅ぼされた加賀守護富樫氏の城である。

 また、本作の七尾城(105ページ)は極めて簡素な構造をしているが、続編の『武将風雲録』では、4層8門の堅城に生まれ変わった。その点が評価されたためか、『武将風雲録ハンドブック』の「戦国“迷”城大賞」の「出世大賞」に選出されている(95ページ)。これに対して畠山義綱は「『群雄伝』はあまりにもわしを馬鹿にしとる。あの謙信に難攻不落といわしめたのだからな」とコメントしている。

 「担当大名を選ぶコツ」は2つのシナリオの大名を総合的な強大さから「A」、「B」、「C」の3段階に分類し、初心者向けと上級者向けの大名を選り分けている。しかし、大名の記述が大名家ではなく、大名のいる国番号で表示されているため、ゲーム内のデータを把握していないと一目で誰のことであるか判別するのは難しい。また、シナリオ2では織田家と毛利家が最も強いランク「C」に分類されているが、この両者には圧倒的な力の差があるように思われる。

天下邁進

 161〜172ページ。織田家、武田家、長宗我部家、里見家、徳川家による序盤のリプレイを掲載している。ここで注目するべきは、里見家による北条家の殲滅である。本作では里見家の安房は武蔵にしか接していないため、武蔵には全力で攻め込むことができる。武蔵の資源を元に戦力を増強し、相模、伊豆と続けて侵攻、ほぼ1年で北条家を滅ぼしている。本項のリプレイの中では、最も成功した部類と言える。

 織田家は美濃、伊勢志摩と攻略し、上洛を目指す史実に近いパターン、武田家は、上杉家との戦いに固執するあまり、敗戦を繰り返すというミスが目立つ。長宗我部家は四国統一を成し遂げるが、戦力の分散により、その後の見通しがつかない状態、徳川家は今川家を滅ぼした後に北条家と同盟を結び、武田家を滅ぼして能力値の高い武将を多数確保している。

本能寺脱出!

 172〜177ページ。歴史仮想ドキュメント。「本能寺の変」に対し、信長が本能寺を脱出していたらという想定で物語を展開する。いち早く光秀の動きを察した信長は、影武者を仕立てて本能寺を脱出、蒲生賢秀、北畠信雄、筒井順慶を取り込みながら「山崎の戦」の直前に秀吉と合流、光秀に快勝し、3年後には全国を統一、征夷大将軍に任命されている。ちなみに、蘭丸は本能寺に留まって戦死、信忠も史実同様の運命をたどっている。

 『全国版ハンドブック』や『ジンギスカンハンドブック』の歴史仮想ドキュメントと比較すると、本書の想定は「本能寺の変」に焦点が絞られ、内容も小規模にまとめられている。その分だけ突っ込みどころも少ないが、信長が素直に征夷大将軍を受命するのかどうかという点には疑問が残る。もっとも、これは光秀に背かれたことが信長の心理に何らかの影響を及ぼしたと考えられなくもない。

 また、本項の信長は、光秀の山岡景隆に対する不手際を「頭の鈍さ(174ページ)」、筒井順慶を取り込もうとした際に下手に出たことを「腰抜け(176ページ)」と罵っているが、史実において、その頭の鈍い腰抜けに完膚なきまでにやられた人間の言えた義理ではないと思われる。『全国版ハンドブック』もそうであるが、最初期の『信長の野望』のハンドブックは、光秀に対する風当たりが強い。結果論から行動を批判するだけならともかく、否定ありきの否定を行っているように思え、個人的な印象としては良いとは言えない。

 ちなみに、『全国版ハンドブック』、『ジンギスカンハンドブック』、『三國志ハンドブック』および本書までは、本項のようにゲームを離れて「歴史のif」を想定する企画がある。この企画は本書でいったん終了するが、『提督の決断ハンドブック』の仮想戦記「連合艦隊ついに勝つ」において復活していると言える。

もうひとつの『戦国群雄伝」

 178〜183ページ。6項目。一風変わったゲームプレイの紹介。「マルチプレイの楽しみ方」は、外交の口約束をゲーム内に取り入れる「ディプロマシー」、史実の条件で勢力同士をぶつけ合う「史実再現プラン」、特定の国の奪取を勝利条件とする「信長包囲網」、特定の武将を何進に加えることを勝利条件とする「スカウト合戦」を紹介している。

 「ちょっとあぶないトトカルチョ」は、手段を問わず、最初に死ぬ大名を予想するというもの。マルチプレイでは、賞品としてとして正答者が他のプレイヤーの領土をもらえる(相手は無条件で撤退する)ことをなどを推奨している。ちなみに、シナリオ1の本命は斎藤義竜、オッズは1.6倍である。

 「恐怖のクローン軍団あらわる!?」は同じパターンのモンタージュ顔の収集、「一族そろって全国行脚」は、血縁武将を集結を目的としたプレイである。「楽しみ方アラカルト」は、その他の楽しみ方の例として、0人プレイで行方を見守る「観戦モード」、一度のプレイで全ての城で攻城戦を行う「お城見学」などを紹介している。なお、本作では、うまく野戦を戦うことにより、攻城戦を回避することができる。そのため、「お城見学」のような制限プレイが成り立つのである。

 「戦国武将逆ベスト10」は、政治、武力、魅力、野望、義理のワースト10を掲載している。ただし、これもシナリオ1限定である。また、順位はつけられているものの、実数値は掲載されていないため、数値を知りたければ別に調べるしかない。また、「義理」はマスクデータであるが、本書には一切記載がなく、『戦国群雄伝武将ファイル』や『光栄ゲーム用語辞典』でもアルファベットで曖昧に掲載されているだけである。

 各部門のうち、「弱虫部門(戦闘力最低)」は板部岡江雪斎(10)、「怠け者部門(政治力最低)」は風魔小太郎(11)、「嫌われ者部門(魅力最低)」は吉江景資(28)、「いくじなし部門(野望最低)」は風魔小太郎(10)、「恩知らず部門(義理最低)」は順位付けがされておらず、実数を確認することもできないが、とりあえず先頭は神保長城である。つまり、5部門中3部門は北条家の家臣であり、そのうちの2部門を風魔小太郎が制していることになる。ちなみに、風魔小太郎と似た能力になることが多い服部半蔵は、政治が「20」、野望は「80」となっている。

戦国群雄事典

 184〜197ページ。登場する武将の略歴だけを紹介しており、武将データや登場シナリオなどは掲載されていない。そのため、前述の通り、本書だけではシナリオ2の武将のデータは分からず、シナリオ2にしか登場しない武将については、ここで唐突に名前が登場することになる。 なお、「戦国騒乱」で紹介した武将については、そちらを参照するようにページ数の指定があるだけで、本項に情報は記されていない。

 また、上記の問題点の他に「笠原泰光」と「御宿泰光」については「伝記は不明」とあるだけで紹介の体を成していないこともあり、不備が目立つ印象がある。さらに後発のバージョンでは加藤嘉明、楠正虎、島左近、伊達成実などの武将が追加されているが、当然のことながら、彼らについては項目自体がない。

 ちなみに、「笠原泰光」と「御宿泰光」については、『戦国群雄伝武将ファイル』にはデータだけで解説がない(笠原は48ページ、御宿は33ページ)。『光栄ゲーム用語辞典』でも笠原は北条家家臣の笠原一族であること(79ページ)、御宿は苗字と所属の共通性から御宿友綱との同一人物説を提示している(235ページ)が、いずれも情報量は少なく、信憑性も低い。

戦国群雄在世年表

 198〜203ページ。1485年の「山城国一揆」から1616年の「徳川家康没し、東照大権現の神号を送られる」までの約130年間に起こった主要な事件を列記しつつ、著名な武将名約50人の生没年を縦線でつないでいる。なお、「著名な武将」については、本作に登場しない武将も含まれている。

 1485年から1495年付近まではゲームに登場しない北条早雲の名前が出ているだけである。1490年代後半からようやく斎藤道三、毛利元就らが登場、さらに間を置いて1510年前後に織田信秀、里見義堯、松永久秀らの名が挙がり、このあたりから情報が充実してくる。ただし、200ページでは斎藤道三の列が石田三成、織田信秀の列が織田信孝、尼子晴久の列が真田幸村のラインとして再利用されており、このあたりはごちゃごちゃとして見づらくなっている。

 本項では、同時代に産まれた武将が一目でわかるようになっているが、意外と気づかなかった事実も多く、なかなか面白い。個人的には若いイメージのある浅井長政が武田勝頼や黒田官兵衛よりも年上であったり、同年代のイメージであった武田勝頼と上杉景勝では、景勝の方が10歳近く若いなどということは、本項を見てはじめて気づいた事実である。また、稲葉一鉄と北条氏康、朝倉義景と小早川隆景、今川氏真と北条氏政が同年生まれであるというのも意外なことであった。

 ちなみに、本項では生涯を示す縦線の終わりに病死や自然史ならば「○」、戦死や刑死ならば「×」を置いている。しかし、病死したはずの蒲生氏郷は、毒殺説がささやかれているためか「×」になっている(203ページ)が、暗殺説もある信玄と謙信は、いずれも「○」になっている。個人的には、胡散臭さは同レベルであると思っている。

国力一覧表

 204〜205ページ。シナリオ1とシナリオ2の国番号、国名、統治大名と城主、各種の国データを掲載している。大名と城主が同一である箇所は「―」と記されている。

総合評価 ★

 あくまでも個人的な印象であるが、あまり出来は良くないと感じられる。ゲームの攻略本としては武将の情報が基礎レベルで不足しており、光栄の攻略本としては、背景となる歴史面の情報が皆無に近いためである。

 その主な原因は、これまでのようにコマンドの1つ1つを懇切丁寧に解説していることが情報量の増加に対してページ数を圧迫し、必要な情報を収めきれないためであると考えられる。

 なお、本書の次に出版された『水滸伝・天命の誓いハンドブック』では、表を用いることでコマンドの解説をコンパクトにまとめ、全武将の略歴とデータを紹介しつつ、多数の歴史的背景の情報を挿入することに成功している。その意味において、本書は、これまでの体裁では複雑化した情報に対処しきれないことを示した一例であり、光栄の攻略本の1つの形式の終わりであると言える。

 ちなみに、『戦国群雄伝』には隠しイベントとして「本能寺の変」が仕込まれているが、本書には、それを示唆する記述は一切ない。これも本書のマイナス要素の1つである。


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