概要
第3部の「世界編」は、各戦場マップの解説が中心となっている。これは地勢に細かい解説がなされており、非常に興味深い内容となっているため、その中でも特に注目するべきものをいくつか抜き出した。
本項の構成
備考
表のリンク先では、各項の注目点をまとめている。また、リンク先のタイトル部分のリンクは、上の表に戻るためのリンクである。
本項では全27国を8つのエリアに分けて紹介している。その順序はゲーム内の国番号順である。また、実際には各所にコラムの「激戦再現」が挿入されており、必ずしもページ数と内容が一致しているわけではない。
GROUP1 ユーラシア北部
地勢の解説
世界編では、それぞれのマップにおける攻撃側と守備側の戦術を紹介している。また、マップ内の地形が現実のどの地名に対応しているかを丁寧に解説しており、これが実に面白い。全ての戦場の地形に現実的な裏付けがあるとともに、いずれのマップもこだわりをもって作成されていることが分かる。
たとえば世界編の第1国(初期配置ではモンゴル帝国)の場合、城はカラコルム、北の湖はバイカル湖、東の山地はハンガイ山脈、南西の山地はアルタイ山脈、南の砂漠はゴビ砂漠といった具合である。これほど戦闘マップについて細かく、興味深い説明を行った光栄の攻略本は他に見当たらず、本書最大の特色であると言える。
GROUP2 ヨーロッパ北部
第6国・ポーランド(135ページ)
城はリーグニッツ城。1241年4月9日、この付近で「レグニツァの戦い(*1)」が起こり、モンゴル軍と欧州諸侯の連合軍が交戦、モンゴル軍が圧勝した。
GROUP3 ヨーロッパ中西部
第7国・イングランド(140ページ)
このマップはグレートブリテン島南部をモチーフとしており、西の半島はコーンウォール(本書ではコーンワル)半島、城はウィンザー城である。本書には「少しわかりづらい」とあるが、個人的には「少し」ところではなく、本書を見るまで地勢の判別はできなかった。コーンウォール半島はアイルランドだと思っていたくらいである。
第9国・神聖ローマ帝国(141ページ)
マップの左下の山岳地帯がアルプス山脈であり、第8国(初期配置ではフランス)から第9国に攻め込むと、この場所に部隊を配置することになる。本書では、カルタゴのハンニバルが、小サン=ベルナール峠からアルプス山脈を越えてローマを目指したことが語られているが、光栄的には、やはりナポレオンの方がイメージしやすい。ただし、ナポレオンが超えたのは大サン=ベルナール峠である。
このゲームに象はいない(143ページ)
ハンニバルは、象を連れてアルプス山脈を踏破したが、本作の兵科には象はいないということ。続編の『元朝秘史』では象兵が登場したが、逆にアルプス山脈に相当する地形がなくなった。
GROUP8 東南アジア
第26国・南宋(163ページ)
本書の場合、中国南部は東南アジア扱いである。城は武漢(*2)。その右下の湖(と記されているが、隣接している湖ではなく、城から右3マスのところにある1マスだけの湖)が鄱陽湖である。1363年には、ここで「鄱陽湖の戦い」が起こり、朱元璋が勝利した。『三国志演義』における「赤壁の戦い」のモデルとも言われる戦いである。
第27国・大越大理連合(163ページ)
マップ右上端の海がトンキン湾にあたる。1964年8月4日に「トンキン湾事件」が起こった場所である。ちなみに、ここで北ベトナム軍の攻撃を受けた「とされた」、駆逐艦マドックスは、『提督の決断Ⅲ』に登場している。
*1
「ワールシュタットの戦い」、「リーグニッツの戦い」とも。「ワールシュタットの戦い」はドイツ語で「死体の丘」の意味、「リーグニッツ」はドイツ語、「レグニツァ」はポーランド語でいずれも同じ場所を指す地名である。現在、この場所はポーランドの領土であるため、ここではポーランド語を用いた。
*2
厳密に言えば、「武漢」は明以降の地名(Wikipediaによる)であり、宋の時代は武昌であった。もっとも、ゲーム中に地名は出てこないため、あまり大きな問題ではない。
『提督の決断』シリーズでは「武漢」の名前そのままで登場しており、『三國志』シリーズの江夏に相当する場所である。2020年には新型コロナウィルス発祥の地として注目を集めた。