ハンドブック紹介

 

   伊忍道 ハンドブック 解説  


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基本データと本書の構成

●健部伸明と山下武師

 奥付には、「共闘ノ巻」の歴史解説部分(おそらく80〜96ページ)と「妖怪絵巻(122〜127ページ)」だけを担当していることが明記されている。
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遍歴ノ巻

シナリオ解説                               

●本巻の構成について

 本巻の各カテゴリでは、中心となる修行場の情報(特徴、強敵、宝箱の中身など)のほか、その近くの町の特徴、購入できる武具やアイテムから歴史的背景の情報まで掲載されており、読むだけでもなかなか楽しい。

 ただし、各ダンジョンのボスに関連したイベントや、修行の最終目的地となる比叡山で起こるイベントについては、ほぼ完全に秘されているため、注意が必要である。


武器道具体系                              

●紹介されているデータ

 アイテムについては、装備品の基本データ、それ自体の解説のほか、道具として使用した場合の効果も記載されている。これに関しては、おそらく全ての情報が公開されているものと思われる。


●義経の武具

 「義経短刀」は、彼の守り刀で自害の際に用いられた「今剣(いまつるぎ)」のことであると思われる。光栄のゲームの中では『源平合戦』に登場しており、「戦闘」を「8」上昇させる(本作における数値の最大上昇値は「10」)効果がある。

 「義経鎧」は、『大航海時代V』における最強の防具である「赤糸縅胴丸鎧」が彼のものといわれている。これらに比べると、本作の「義経」シリーズは、イベントアイテムとはいえ、性能的には地味である。


●非売品について

 各種アイテムのうち、遊技場の商品を除く非売品を以下にまとめた。なお、本作品には、敵を倒すことでしか入手できないアイテムは存在しない。そのため、宝箱の中のアイテムだけで最強装備を整えることができる。

分類 名称 場所
武器 義経短刀 義経洞窟
金剛輪 比叡山地下8階
迦楼羅のドロップアイテム
斬魔剣 備中の宗兵衛
草薙の剣 壇の浦洞窟地下3階
降魔刀 比叡山地下8階
安土城4階
阿修羅胸甲 比叡山地下1階
護符 雷獣の尻尾 剣山修験場地下5階
壇ノ浦洞窟地下2階
羅漢のドロップアイテム
腕釧 阿蘇山修験場地下5階
麒麟の骨 比叡山地下1階
比叡山地下8階
安土城4階
その他 神護石 阿蘇山修験場地下6階
天狗の団扇 相模天狗の森
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共闘ノ巻

職業概要                                  

●4種類の種族、16種類の職業

 主人公も含めたキャラクターの職業は、大きく分けると「忍者」、「侍」、「僧侶」、「道士」の4種類になる。これは、装備できる武具と覚える術に関係する。なお、68ページでは、この4種類を「種族」と表記しているが、職業の分類を生物の分類である「種族」と呼ぶのは、何か違うような気がする。

 さらに、この4種類の「種族」は、16種類の「職業」に細分される。これらは、主に成長率に影響を及ぼす。ちなみに、「職業概要」において、16種類の職業のはずが15項しかないのは、「風魔衆」と「根来衆」がひとまとめにされているためである。


伊忍道人別帳                              

必要レベル(72ページ)

 本作において仲間を作るためには、最低限レベルが「7」必要である。


伊忍道人別帳(73ページ

 「伊忍道人別帳」には、本作に登場する人物の職業と、主人公の相性が掲載されている。たいていの職業の人物は、日本の東西にばらけているが、「羅漢」だけは西国にしかいない。

 また、「これ以外にも新たな人物が登場する場合もあります」とあるのは、これらの人物が死亡した場合、新たに追加される人物がいることを表すものと思われる。


術と特技を学ぶ                            

忍術・仙術・妖術(77ページ)

 77ページの表には、3種類の術の消費気力、対象、使用場面、習得レベル、効果が掲載されている。ただし、主人公だけはレベルアップではなく、修験場巡りによって術を習得していく。


特技(79ページ)

 本作の特技は、「忍力草」から「体力丸」を作る「製薬1」、「行者草」から「気力丸」を作る「製薬2」、毒、怪我の状態を治す「祈祷」、以前立ち寄った城下町やダンジョンの入り口に戻る「飛行仙」がある。いずれも、レベルが上がればアイテムや術で代用できるため、むしろ序盤において利用価値が高いと言える。

 特技は、僧侶、山伏、羅漢だけが持ち、所有する能力は個々人で異なっている(全く持たないものも多い)。この中では、常陸の天海が「祈祷」以外の能力を全て所有している。序盤で仲間にできれば、「飛行仙」は非常に役立つはずである。


忍者の活躍                               

服部半蔵(83ページ)

 本項では、著名な実在の忍者として服部半蔵を挙げ、柱状の一項を設けて彼のプロフィールを紹介している。ここでは、「若くして伊賀を出立し、徳川家康に仕えた」半蔵と、「徳川譜代の武将として活躍し、『鬼の半蔵』と呼ばれて戦場を駆け巡った」半蔵という2つの半蔵像を対比させ、「忍者の統領と、勇猛果敢な武将という2つの顔を持っていたのであろうか?」と疑問を投げかける。

 実のところ、この2つの「半蔵」は別人である。一般的に言われる「半蔵」こと服部半蔵正成は後者の人物であり、前者の「半蔵」は、その父の服部半蔵保長である。要するに、この一族は代々「半蔵」を名乗っており、それが、ここでは混同されてしまったということである。
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怪異ノ巻

敵データについて

●敵データについて

 敵データについては、カラーグラフィック、各種能力、入手経験値と金、ドロップアイテムまで掲載されており、それとは別に、解説が添えられている。また、解説文中に敵の特殊能力も紹介されており、情報は充実していると言える。ちなみに、「体力」と「気力」には上下幅があるという。

 しかし、98ページの解説部分にもあるように、本書には各ダンジョンのボスは一切掲載されていない。これは本書の価値を大きく下げていると感じられる。しかし、ラストダンジョンの安土城の各界の番人だけは、なぜかきっちりとデータが掲載されている。


妖怪絵巻                                

●著名な妖怪たち

 本作に登場する敵のうち、天狗、鬼、土蜘蛛、鵺の4体の歴史的背景を解説する。いずれも有名な妖怪ばかりであるが、以外と本作の扱いは良くない。天狗はボスとして相模坊が登場するが、後は前半から中盤までのザコばかりである。


行く手を阻む悪党                            

●フィールドにのみ出現する敵

 こちらでは、フィールドに出現する人間系の敵を紹介している。実際には、「洞窟の中の強敵」の一部もフィールドに登場するようである。データは「洞窟の中の強敵」と統一されているが、こちらには敵の解説がない。また、そのために敵の特殊攻撃も掲載されていないのが問題である。
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合戦ノ巻
信長打倒への道                            

●仕事のルール

 大名から仕事をもらうためには、レベル15程度が必要である。逆に、この条件を満たしていれば、修験場巡りの途中でも仕事を引き受けることができる。ただし、比叡山のイベントを終え、修験場巡りを完遂しないと、信長領に攻め込むことはできない。


合戦に臨む                               

●合戦参加のルール

 合戦に参加するためには、まず「求人」の「強者募集」に登録することが大前提となる。そのうえで、その月の30日に契約を結んだ城に入り「待機」すれば良い。

 ここで重要なことは、30日が期限日であるため、30日に宿屋に泊ると合戦に参加できないということである。「体力」と「気力」を全快させ、万全の態勢で合戦に臨むためには、29日に宿屋に泊り、30日に城で「待機」する必要がある。


伊忍道戦国総覧                           

●「本能寺の変」直後の情勢

 本作では、ゲーム開始時に「本能寺の変」が起こり、「伊賀の洞窟」をクリアしたところで、生き延びた信長の姿を見ることができる。にもかかわらず、「本能寺の変」以前に滅亡している武田家は健在である。

 さらに言えば、「本能寺の変」で死亡した森蘭丸、その後の「二条城の戦い」で戦死した織田信忠、村井貞勝らも生存しており、毛利家では、秀吉との講和の条件として腹を切ったはずの清水宗治もいる。要するに、本作において「本能寺の変」関連で史実通り登場しないのは、明智光秀の一派だけということである。
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試練ノ巻

試練ノ巻

●本項の構成

 本項では、本作の全てのダンジョンの構造、階段とトラップ(落とし穴、ワープゾーン)の位置、階層ごとの宝箱の中身を紹介している。ただし、マップは白地に黒のラインで書かれたものであるため、入り組んだ地形では、壁の中身と通路の判別がつきにくくなっている。

 また、階段に関しては、その上りと下りについては記載しているが、どこにつながっているかは省略されている。さらに宝箱については、場所自体が示されていないなど、問題点も多い。ただし、非売品の武具がどこにあるかということを明らかにしている点は、貴重な情報である。
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コラム

伊忍道・妖術師篇                           

●分岐の条件

 「妖術師篇」は、本作の隠し要素というべきものである。その分岐は、「伊賀の洞窟」クリア時に登場する信長の様子で判断するしかない。分岐は完全にランダム(ただし、「妖術師篇」になる可能性の方が低い)であり、狙って「妖術師篇」に入るためには、何度か「伊賀の洞窟」をクリアしなおすことになるかもしれない。


入居の条件                                

●パソコン版のみの仕様

 くノ一(伊賀女、甲賀女)が仲間におり、彼女たちとの「信頼度」が高く、金が「15000」以上あるとき、越前、山城、美濃の空き家のいずれかを購入することができる。自宅のある城下町では、国の情報を自由に見ることができるだけでなく、自宅を無料の回復施設としても活用できる。

 ちなみに、全てのくノ一には固有の顔グラフィックが用意されており、自宅で宿泊した際には、顔グラフィックが変化する。当時の光栄特有のお遊び要素と言えるが、コンシューマ版ではカットされている。


剣術家を追え!                            

●某人気漫画でおなじみの人物だ

 本項では7人の剣術家のうち実在の6人(白鳥幻之丞を除く)を紹介した後、「剣術家ではないがぜひ仲間に迎えたい侍(実際には浪人だが)」として前田利益(ここでは「利益」が「長益」になっている誤植がある)の名を挙げている。彼の経歴をまとめたうえでの結びが上記の一文であり、「某人気漫画」が『花の慶次』であることは言うまでもない。

 ちなみに、本作の発売日は機種によって相違があるが、最も早いものはPC88版の1991年7月19日である。ファミコン版の『信長の野望武将風雲録』の発売日が同年12月21日であることからすると、はじめて前田慶次が登場した光栄のゲームは、本作である可能性が高い。なお、『花の慶次』自体は、その前年から連載が開始されている。


比叡山の扉を開く                         

●阿蘇山修験場以降のストーリーについて

 「遍歴ノ巻」では、阿蘇山修験場までのストーリー展開とダンジョンの特徴を解説していたが、それ以降の流れは、本項でダイジェスト的にまとめられている。しかし、「比叡山」と「美濃の洞窟」の構造自体は「試練ノ巻」に掲載されている。


信長と忍者                               

●信長と忍者

 本項では、信長が忍者を憎悪しており、それが「天正伊賀の乱」に結びついたと解説している。しかし、「第一次天正伊賀の乱」は、織田信雄の独断専行に端を発しており、信長自らが伊賀を滅ぼした「第二次天正伊賀の乱」は、「第一次天正伊賀の乱」のしりぬぐいに過ぎない。

 信長にとっての「天正伊賀の乱」は、「忍者殲滅」というよりも、「不服従の土豪」を根絶やしにしただけであり、それまでの数多くの戦いで見られた殲滅戦と変わるところがないと思われる。
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