概要
第1章は2つの要素で構成される。前半の「自分に合った戦略をとれ」では、チンギス・カンの解説という体裁で内政からは人口増加と住民配分、戦闘からは地形による兵士の減少と一騎打ちの危険性についてだけを紹介している。
後半の「戦略を選べ」は、ジュチ、チャガタイ、オゴタイの3人がそれぞれの戦略を紹介するという体裁で3つの戦略を紹介する。いずれも各コマンドなどのマニュアルを見れば分かる要素は省き、要点だけを解説するスタイルは高く評価することができるが、内容自体は
『ハンドブック』の方が詳しいため、「内容」欄でリンクさせることで解説の代わりとした。
ユーラシアはこの戦略で制覇しろ
世界編をモンゴル帝国で始めた場合の推奨攻略ルートを紹介する。ちなみに、本書にはモンゴル帝国以外の世界編で選べる国家の解説は一切ない。本書だけを読んでいると、このゲームの世界編はモンゴル帝国でしかプレイできないものと錯覚してしまうが、他の機種と同じく、イングランド、ビザンツ帝国、日本国でもプレイすることもできる。
本書では1国から中央アジアの15国(ウイグル)、16国(西夏)を先に滅ぼし、2国(金)を南西の平坦な地形から攻めるルートを推奨する。その後は18国(高麗)、19国(日本国)、26国(南宋)を制圧し、以後は東南アジアと中央アジアへと展開する構想である。
このルートの問題点は、19国を占領するまで安全地帯ができず、兵力の分散を強いられる点にある。26国を制圧した時点で領土は7国に増えるが、安全地帯は18国と19国だけで7国中5国に防衛用の戦力を置く必要がある。兵力分散のリスクは同盟を駆使して補うことになるが、それについては「将軍活用型戦略」でフォローされている。
個人的には、『ハンドブック』で推奨する2国を最初に攻略して18国、19国、26国と滅ぼし、5国の内18国と19国の2国を安全地帯にするルートの方が効率面では適切であると思われる。
兵力集中型戦略
ジュチの紹介する戦略。兵士の輸送と戦争を同じターンに行うことで一時的な戦力の集中を可能とする。大きく分けると、本国と敵対国が対象となる単独型と直轄地も利用する複合型の2つとなるが、いずれも本作のシステムを活用した面白い手段である。
単独型は、3回の命令の内、1回目か2回目で戦闘を行い、勝利後は新たな領地を直轄地にして元の本国に戻り、兵士の輸送で両国の兵力を調節する。これを利用することにより、非同盟の隣接国があっても全兵力で攻め込むことが可能となる。
複合型は、目標の隣接国を攻め取れば隣接する勢力がなくなり、安全地帯になる直轄地の兵力も利用しようというものである。まず1回目の命令で直轄地から本国に兵士を輸送し、2回目の命令で戦闘、勝利すれば兵士を引き抜いた直轄地は安全地帯となるために兵士を戻す必要はなくなり、本国と新たな領地との間でだけ兵士数を調整すればよくなる。こちらは必ず3回分の命令全てを使うことに注意する必要がある。
いなご型戦略
チャガタイの「いなご型戦略」は、住民配分を100パーセント兵士にして戦力を確保し、全力で攻撃することを繰り返すというものである。こちらも命令回数は残して戦闘を行い、占領地はいったん直轄地にして自分は本国に戻るが、持ち運べる資源は全て持ち去って占領地に移動するため、元の領土は荒廃することになる。
この領地は隣接国に占領される可能性が高いが、荒廃しきっているので立て直しには時間がかかる。最後に占領した領土を拠点として住民配分を行い、再度占領された領地を奪還していくというものである。
『光栄ゲーム用語辞典』やでも紹介されている有名な戦略ではあるが、本作に限って言えば、序盤に自国の国力を増強するのには有用であるものの、ゲームレベルを上げた場合は、CPUによる復興は非常に速いものとなり、そちらの効果はあまり期待できないものとも思われる。
将軍活用型戦略
オゴタイの提唱する世界編向けの戦略。前述の2つがゲームのシステムを活用したテクニックと呼ぶのにふさわしいものであるのに対し、こちらは同盟の有用性と委任国への指示の出し方など、世界編の基本的な進め方を解説するのにとどまっている。
侵攻ルートは「ユーラシアはこの戦略で制覇しろ」で紹介したものを下地としているが、15国から16国を攻めるのではなく、間に18国(吐蕃)を挟んでいる。これにより、16国から2国を攻めると16国が安全地帯となるため、全力で2国を攻められるようになるが、防衛用の兵力を割く回数が増えることにも注意しなくてはならない。