ハンドブック紹介

 

   水滸伝 天導一〇八星 ハンドブック  


 ●基本データ
 カラーグラビア
 第一部 飛山落泊
 第二部 敬天自強(逃亡と旗揚げ)
 第二部 敬天自強(施設)
 第二部 敬天自強(外交と計略)
 第二部 敬天自強(遠征・略奪・機動力)
 第二部 敬天自強(高揚と攻撃手段)
 第二部 敬天自強(火計・妖術・その他)
 第二部 敬天自強(人気)
 第三部 満城地理
 第四部 森羅弘達
 第五部 霊宿聚義
 総合評価 ★★★★★

基本データ

 初版の発行は1997年4月30日。ページ数は奥付を含めて192ページ。定価は税別で2286円であるが、当時の消費税5%込みで2400円となる。これは「ハンドブック」の中ではかなり高い部類に入る。執筆者は森下翠、三上修平、金子隆、土井信岳、兄弟ギャングスターズ。イラストは正子公也(巻頭グラビア)、岩田健太郎(挿絵)である。

 8ページの目次によると、本書は全5部から構成されており、第一部の「飛山落泊(10~36ページ)」は、3項目でゲームの大まかな流れとシナリオごとに選択できる好漢を紹介している。続いて第二部の「敬天自強(37~74ページ)」では、10項目で本作のゲームシステムを解説する。

 第三部の「満城地理(75~120ページ)」は、要塞の解説をメインにしつつ、本作の隠し要素であるシナリオ3の概要を紹介する。第四部の「森羅弘達(121~160ページ)」は歴史(原作)的背景を話題にした6編の読み物で構成されている。第五部の「霊宿聚義(161~191ページ)」は3項で各種のデータを公開している。また、目次には記載がないが、2~7ページはカラーグラビアとなっている。

カラーグラビア

 正子公也による見開きのイラスト3枚を掲載している。テーマは第6回より「史進対魯知深」、第38回より「張順対李逵」、第54回より「公孫勝対高廉」。いずれも非常にクオリティが高く、特に「公孫勝対高廉」はコンシューマ版『水滸伝天導一〇八星』のオープニングの山場(「天に替わって道を行う」と文字が入る場面)にも使われている。

第一部 飛山落泊

 本書の好漢の紹介(14~36ページ)では、好漢と無頼漢の能力、要塞の状況だけでなく、原作の流れから、好漢が、その状況におかれるまでの背景を紹介している。本項と「森羅弘達」を合わせて読めば、『水滸伝』の大まかな流れをつかむことができる。これは、『水滸伝』そのもののあらすじがなかった『水滸伝天命の誓いハンドブック』に比べると大きな進歩であると思われる。

 また、12~13ページには、2つのシナリオの勢力図が掲載されている。この勢力図は、ゲームスタート時点で領土化されている拠点だけが紹介されているが、実際には、さらに未発見の領土が多数存在している。しかし、発見済みの拠点の数だけでもコンシューマ版よりも多く、まったく違ったゲームのような印象を受ける。

第二部 敬天自強(逃亡と旗揚げ)

 パソコン版はコンシューマ版と違い、逃亡中の好漢が旗揚げする時期は、プレイヤーが任意で決めることができる。そのため、本書ではすぐに旗揚げをするのではなく、しばらく各地を放浪してイベントを起こし、資産を築いておくことを推奨している。目標は「無法者」以外の「職業」を持つ無頼漢5人(放浪時の最大人数)、金1000、食料5000以上である(43ページ)。

 本作では、全部で41の拠点が11のエリアに分布している。エリアについては41ページに解説があり、エリアごとの気候(降雨量や季節ごとの天候に影響する)や勢力構造、開始初期の時点で仲間にしやすい強者を紹介している。

 旗揚げ直後に行うべきこととして、本書では「税率」をデフォルトの30%から50%に引き上げることを推奨している(48ページ)。これは、序盤の収入の少なさを補うためである。また、50ページには要塞発展後の食糧事情を40%で計算していることから、要塞経営が軌道に乗ったら40%にするべきであると思われる。

 最序盤では、人材が集まりやすくなる「酒場」を建てたいが、そのためには「職業」が「酒屋」の強者が必要である。強者に「酒屋」がいない場合は、はじめから「酒屋」が建っている要塞を利用するという手段もある。その場合、河北の蓋州、江南の杭州などが旗揚げの候補となる。また、「盛り場」も同様の効果を持つが、その効果は「酒場」よりも低いようである(50ページ)。

 無頼漢に対する俸給は1人当たり毎月金10が必要となり、足らない場合は「忠誠」が低下する。「忠誠」の低い無頼漢は仕事をさぼりがちになり、「忠誠」が「50」を切ると下野することもある(45ページ)。また、戦闘では「仁愛」が高めだと退却、「忠義」が低めだと宴会をはじめる他、行動を受け付けなくなることもある(69ページ)。「忠誠」は、アイテムの贈与や「宴会」で上げることができるが、無頼漢の「職業」に応じた仕事を任せることでも上昇していく。

第二部 敬天自強(施設)

 「兵舎」以外の施設と「職業」の関係、施設で労働することで上昇する能力については49ページに一覧表が掲載されている。また、51ページでは、施設の発展と周辺の地形の関係が紹介されている。なお、民家は周辺環境に影響を与るだけで人口には関係しないため、邪魔であれば破壊してしまっても問題はない。

 「酒場」による人材の受け入れ態勢を作った後について、本書では食料を確保し、小者の増加体制を整えることを勧める。食料を確保できる施設には「田畑」と「漁場」があるが、「漁場」は魚影の減少による効率の低下があるため、「田畑」の方が好ましいようである。ちなみに、食料は1月につき小者の総数の30%が消費される(50ページ)。

 軍備の増強については、「兵舎」による小者の補充、「本拠地」での武装、「練兵場」での「士気」の向上という手順を踏む。そのため、「兵舎」と「練兵場」は「本拠地」の近くに建てると無駄が少ない。また、「練兵所」は1ヵ所につき一度に1人の強者の訓練しか行えないため、戦力を拡大させていくと複数必要となる(54ページ)。

 軍需物資のうち、「武器」と「船」は小者の人数に合わせることが望ましい。しかし、「軍馬」は適性の低い強者が最大値まで装備すると、攻撃力が低下する。これについては、具体的な数値が紹介されていないため、どの程度の配分ならば問題がないのかは不明である。また、「呪符」については「知力」が「80」未満の強者が使用すると失敗することがあるため、極端に「知力」の低い強者には持たせる必要がない(56ページ)。

第二部 敬天自強(外交と計略)

 外交の内容は、使者個人の「学士」レベルに左右される。また、外交の成功率は使者の「知力」と好漢の「人気」が影響を及ぼし、「相手を挑発しに行く」の場合は、相手の好漢の「知力」も問題となる(58ページ)。

 さらに本作では、ある勢力との関係の変化が他の勢力の関係にも影響を与える。つまり、ある勢力と敵対した場合、その勢力と友好的な勢力も敵対的になるということである(59ページ)。

 謀略について、本書では「敵に痺れ酒を盛る」を推奨している。これは、敵を重病(行動不能)にするものであり、本書には記載されていないが、侵攻予定の要塞に仕掛けておくと戦闘要員を減らすことができる。これに関しては、「忠誠」が高いほど活動期間も長くなり、「職業」の「盗賊」レベルと能力の「技量」が高いほど効率が良くなる。「盗賊」レベルが「3」以上の強者であれば、成功率は6割ほどであるという。

 これに関連して、61ページには「盗賊」レベル「3」以上の強者12人の名前が掲載されている。ただし、「技量」と「盗賊のレベルの影響の程度については記述がない。例えば「盗賊」レベル「4」で「技量」が「30」の時遷と「盗賊」レベル「3」で「技量」が「79」の鈕文忠では、どちらが優秀なのかということは分からないのである。

 なお、「盗賊」レベル3であれば、捕まった仲間を救出できるため、万が一捕まった際の保険になる。しかし、それ以前の予防策として、警戒に回った敵を確認したら、破壊工作を中断した方が得策である。また、これについては敵の工作員についても同じことが言えるため、工作員の侵入を察知したら、警戒を行わせたい。「盗賊」レベルの高い強者に任せると、より効果的である(61ページ)。

第二部 敬天自強(遠征・略奪・機動力)

 本作のルールとして、好漢のいるエリアを統一しないと他のエリアに侵攻することはできない。しかし、同盟勢力は対象から除外されるため、エリア外に優先して侵攻したい拠点がある場合は、「同盟」を結ぶ意義も出てくるかもしれない。ただし、「同盟」の期限は最大でも360日であるため、同盟相手も、いつかは倒さなければならない(60ページ)。

 なお、エリアを統一してさえいれば、他エリアへの侵攻に対する制約はまったくない。高のいる京機の東京以外は、どこにでも攻め込むことができるのである。ただし、隣接エリアへの侵攻は20日の日数を必要とし、エリアが1つ分離れるたびに10日ずつ所要日数が加算される(66ページ)。つまり、そういうことができるからといって、それが良策というわけではないのである。

 遠征の目的については、「略奪」と「占領」の2種類がある。このうち、「略奪」に関連した情報として、65ページには施設を破壊した際にアイテムを入手できる確率と得られるアイテムの種類の一覧表が掲載されている。出現率が高いのは「鍛冶場」、「市場」、「兵舎」、「砦」などで80%となっている。また、耐久度のない施設は破壊できる確率は「五分五分(62ページ)」である。要はランダムであり、壊れない時は本当に壊れないことがある。

 本書には機動力の一覧はないが、66~68ページの文中に、ある程度の説明がある。ここからは、小者1000人を率いる強者が平坦な道を移動する際、軍馬所持率0%で騎兵特性のない強者の移動力が6マスであるのに対し、騎兵適性が高く、軍馬所持率100%の強者は13マス、つまり、ほぼ2倍の差があることを読み取ることができる。 また、柵の消費機動力は平地の5倍であるため、柵を乗り越えるよりは破壊するか迂回した方が良い。

 さらに、喬道清、戴宗、馬霊、羅真人らは「神行法」の技能により、2倍の機動力を持っている。とは言え、彼らの騎兵適性は総じて低いため、騎兵の機動力と併用することはできない。

第二部 敬天自強(高揚と攻撃手段)

 戦闘面に関しては、67ページに「戦術コマンドによる体力消費」の一覧が掲載されている。しかし、本作では呪符や高揚による体力の回復が行えるため、前作ほど体力の消費を気にする必要はない。

 敵や施設への攻撃によって高揚状態になると、体力が回復して再行動が可能になり、攻撃力も50%上昇する。良いことづくめであるが、肝心の条件は掲載されていない。また、71ページには、「無頼漢の職業によっては、特別な行動を起こすこともある」ことが記されている。Wikipediaの「職業」の欄によると、これも高揚時のみの現象のようである。

 各種攻撃については69~70ページに解説がある。直接攻撃は「手堅い」を基準とした場合、「手加減」は3分の2、「袋叩き」は攻撃に参加する強者次第で2倍以上となる。「袋叩き」は攻撃に参加した強者の「体力」が減らないこともあり、本書では、これを中心に戦闘を進めることを推奨している。

 「突撃」は腕力に応じた回数分攻撃を繰り返す(詳細は不明)が、相手が「鉄壁の守り」をした場合は攻撃回数が1回となり、「手加減」の場合は、どちらかが倒れるまで突撃が続く。また、「妖術」で「混乱」した部隊は「突撃」を防ぐすべがなく、きわめて有効な手段となる。

 射撃の攻撃力は「技量」に左右され、高低差のある地形だと射程が減る。「連続射撃」の回数も「技量」によって決まり、「80」未満で2回、「100」未満で3回、「100」以上で4回となる。ちなみに、「技量」を「100」以上にするには武器の装備が必要である。なお、防御法の「矢玉を回避」を選んだ場合、被害は3分の2となる。

第二部 敬天自強(火計・妖術・その他)

 「知力」が「60」以上で「火計」を使えるのは前作と同じであるが、本作では魏定国の「火計」の成功率は2倍に設定されている(71ページ)。これは、原作における火計の使い手という設定を生かしたものと思われる。なお、「ハイパーガイドブック」によると、コンシューマ版では、原作で火炎系の妖術使いであった寇も同様の技能を持っている(94~95ページ)が、本作では不明である。

 本作の「妖術」は、「知力」が「80」以上、天候が「曇り」の時限定という前作の条件に加え、「職業」が「道士」であるという条件が加わった。一方、効果範囲は「知力」が「80」以上で3マス、「90」以上で5マスと拡大された。しかし、本作では、呪符を使えばわずかな体力の消費で誰でも「妖術」が使えるため、その価値は暴落したと言える。

 「妖術」の成功条件は、双方の「知力」の差による。成功した場合、小者の減少は100人程度であるが、相手の「知力」に応じて「体力」にダメージを与え、混乱状態に陥らせる。混乱した強者は無防備になり、「突撃」などが非常に有効となるため、混乱した強者を優先的に攻撃していきたい。

 呪符については、68ページに発動に失敗した場合のアクシデントの一覧表が掲載されている。さらに「妖術」の発動に失敗した場合は、自分がダメージを受けることもある。その確率は、「知力」が「80」未満の場合、「知力」に応じて25%から65%程度となる(71ページ)。

 一騎討ち、落石、水計など(71ページ)は、コンシューマ版で削除されたコマンドである。このうち一騎討ちは、相手の小者数が100人未満である時に挑むことができる。落石は「腕力」が「60」以上必要であり、命中率は双方の「技量」で判定される。水計は水門を閉ざして川の水をいったん止めた後、水を再放出することで川にいる敵にダメージを与えられるが、コンシューマ版では「水門」そのものが廃止されている。

第二部 敬天自強(人気)

 本作において「人気」を上げる基本的な手段は、施設を発展させていくことである。しかし、本作でも時々現れる猛獣を退治することで「人気」を上げることができる。猛獣については57ページに解説があり、種類、移動力、体力、速度、出現率、好む地形などが紹介されている。また、写真のキャプションからすると、季節や気候も関係するようであるが、それに関する記述はほとんどない。

 要塞の人口が5万を超えると「人気」が「100」上昇するイベントが起こる(52ページ)。本書の記述では要塞1つごとのイベントのようにも読めるが、コンシューマ版では支配している全要塞の総人口が条件であり、本作でも同じであると思われる。

 本作にもタイムオーバー時の金国侵入イベントが用意されている(74ページ)。しかし、本作では1124年に一度判定が行われ、その時点の人気によってタイムオーバーの期限も延長される。事実上、本作において金国侵入が行われることは、よほどのことがない限り、ありえないと思われる。

第三部 満城地理

  本項では、見開きを上下に分け、それぞれで41ヶ所の要塞のデータ、写真、解説を紹介している。データはエリア、シナリオ1と2の所有者、無頼漢と小者の数、鉄埋蔵量、魚影、獣数とデフォルトで用意されている施設の数など、なかなか豊富である。特に施設の数は、旗揚げの際に役立つと思われる。

 要塞の写真もカラーで大きく表示されており、その特徴がよく分かる。特に梁山泊(96~97ページ)の水沢や「登山道は一本しかなく、あたりは草で覆われた」桃花山(90~91ページ)、「村野周囲の林道は曲がりくねっており、出るに出られない構造になっている」祝家荘(106~107ページ)、「東洋のヴェニスと言われるほど、水運の発達した」蘇州などは、説明通りの構造をしていることが一目で確認できる。

 その他にも、羅真人の道観のある薊州(79ページ)や張青の酒屋がある孟州(102~103ページ)には、それを彷彿とさせる施設があらかじめ設置されていたりと、芸も細かい。なお、今回参照した版では、華州(98~99ページ)の写真が逆になっているというミスがある。

 さらに各要塞の解説では、原作での役割や、史実の地名との照合などが話題となっているが、これも実に面白い。原作の解説は、山塞の場合は統領と勢力、府州の場合は作品内の赴任者の役職が紹介されている。また、史実の地名については行政区分や時代に誤りのあるものや、架空の府州も多いことが分かり、非常に興味深い情報を提供してくれる。

 また、118~120ページでは、本作の隠し要素であるシナリオ3の出し方とプレイヤーが選択できる5つの勢力の概要を紹介している。隠し要素の紹介だけでなく、出し方まで公開している点は高く評価することができる。

第四部 森羅弘達

 「北宋末バブルの崩壊(122~125ページ)」の副題は「徽宗の時代」。徽宗皇帝の時代の開封東京府の人為的な繁栄と、それを演出した史実における「四姦」、その犠牲となった地方の様子と、対外政策の誤りによって滅亡する北宋の様子を解説する。『水滸伝』の歴史的背景として良くまとまっており、原作ではあまり語られることのない「四姦」の奸臣ぶりを理解する手助けとなる。

 「『宋江演義』としての『忠義水滸伝』(126~129ページ)」は100回本の原題である『忠義水滸伝』の「忠義」の持つ意味に着目する。ここでは、その意味を「異民族に対する国防」と定義し、その主題から作品内の遼との戦いの持つ意味を分析する。また、宋江のナンバー2への固執や北伐の栄光と南征の悲劇というテーマからは、諸葛亮との類似性を読み取る。

 「梁山泊の組織の変遷(130~135ページ)」は、第12回、第20回、第35回、第41回、第44回、第51回、第64回、第71回で解説される組織を図表化し、その変遷を論じたものである。多くの場合、梁山泊の序列は第71回(70回本では第70回)の最終的な組織構成で語られることが多く、その過程を分かりやすく解説した例は珍しいと思われる。その意味においても、本項は興味深く読むことができる。

 「梁山泊の対外戦争(136~145ページ)」と「梁山泊の防衛(146~151ページ)」では、『水滸伝』の戦争描写を梁山泊の侵攻戦と防衛戦に分けて紹介する。ここでは、戦闘のあらましだけでなく、上段には参戦した統領と兵力、誰が誰を倒したかということまでまとめられている。また、108星終結後ということもあり、注目度の低い童貫、高戦を取り扱っている点も評価することができる。

 「梁山泊の四寇征伐(152~160ページ)」では、遼、田虎、王慶、方臘戦の概要を紹介する。ここでは上段が侵攻ルートの紹介のみとなっており、前のような詳細なデータがないのが惜しまれる。また、156ページには関連した地名を記載した地図が掲載されているが、地名の数は少なく、あまり参考にはならない。とは言え、やはりマイナーな「四寇征伐」のあらすじを解説している点、方臘戦の戦死者を列挙している点などは、実際に『水滸伝』を読み進める副読本としても役立つと思われる。

第五部 霊宿聚義

 「職業別レベルランキング(162~165ページ)」は、職業を持つ強者をレベル順に列挙したものである。試み自体は面白いが、本作は前作と違い、プレイヤーが主体的に人材を求めることができないため、実用性はあまりないものと思われる。

 なお、コンシューマ版では「盗賊」と「村人」のレベルが「4」の時に「財宝発見」、「商人」のレベルが「4」の時に「商人の掘り出し物」イベントが起こる(「ハンドブック」82~83ページ)ことがあるため、条件を満たす強者を検索するために使える。

 「アイテムデータ一覧(166~169ページ)」は、本作に登場するすべてのアイテムを紹介している。その効果だけでなく、作品内での用いられ方や所持者を解説しているのも嬉しい。ちなみに、所持者については65ページに一覧表が掲載されている。また、「防具」の項で不足している説明として、「防具」を装備した好漢は、稀に敵の直接攻撃や射撃を無効化することがある(70ページ)ことが挙げられる。

 「全359人人物データ総覧(170~191ページ)」では、本作に登場する強者のデータを掲載している。データ量は1人当たり見開きとなり、「体力」を含めた能力値と精神値、得物、年齢、職業、シナリオごとの所属、兵科適正などのほか、あだ名も紹介されている。

 『水滸伝天命の誓いハンドブック』のデータと比べると、その量は充分以上のものと言えるが、シナリオ3の所属は記述がない。これについては、『水滸伝天導一〇八星好漢FILE』に記述がある。

総合評価 ★★★★★

 本書は特に読み物面が充実しており、「第一部 飛山落泊」と「第四部 森羅弘達」の後半部を合わせて読めば、『水滸伝』の大半を把握することもできる。また、「第三部 満城地理」の地勢の解説も非常に興味深い。原作の副読本としても、有用なレベルにあると言える。

 一方、ゲーム面の解説についてもデータは充実しており、攻略面も過不足はない。さらに、隠し要素であるシナリオ3の概要と出し方まで紹介している点も高く評価することができる。個人的には、「ハンドブック」シリーズの中でもゲーム面と歴史面の双方が高いレベルでまとめられた良書であるという印象を受ける。

 主なマイナス要因としては、『水滸伝天命の誓いハンドブック』には掲載されていた強者の略歴がなくなったことが挙げられる。しかし、ゲーム中の「列伝」で強者の略歴を確認することができるうえ、それだけをまとめた「好漢FILE」も出版されているため、情報を補う手段は充分に備えられていると言える。


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