ゲーム内容
公式ツイッターなどでのジャンルは「戦略シミュレーションゲーム」。本項では「拠点ゲー」に分類する。なお、このゲームのタイトルは「ザ・アンツ」が正しい。「ジ・アンツ」ではないことに注意する必要がある。
目標
ミッション形式で数段階のポイントを獲得することができる。最終目標はメインホールに相当する女王アリのレベルを18まで上げることである。ミッションの中には「スーパー働きアリを2匹獲得」というものもあるが、これは課金が必須となるためやらなかった。
具体的な手法
本作独特のシステムとして、資源の輸送と変換というものがある。資源を消費して別の資源やパラメータに変換する仕組みになっており、特定の施設で「輸送」を行うことで自動的に処理される。該当するのはハキリアリと餌場である。
ハキリアリは資源の植物を菌類に変換する。植物がなくなると菌類は減少し、数値を確認するとマイナスになるが、保有量としては0未満になることはない。餌場は肉と水を消費して戦力に相当するコロニー規模と資源の甘露の生産効率を維持することができる。これらが切れるとコロニー規模は低下し、甘露の生産効率は悪くなる。
肉と植物は施設の建築やレベルアップにも消費される。そのため、常に不足気味となるが、補給を絶やすわけにもいかないため、常に枯渇気味となる。採集もほとんどの場合これらの資源の確保に費やされ、マップ上の敵を倒している余裕はほとんどなかった。それでも、これらの資源は資源アイテムを入手しやすいため、ましな方である。
水と菌類は採取ができないうえ、資源アイテムも売っておらず、確保することが難しい。いずれも基本的な入手手段は事実上施設に限られる。特に菌類は上述の通り保存量が低下するという概念があるうえ、施設のレベルアップに求められるため、常に植物を供給し続けなければならない。素材となる植物が入手しやすいことだけが救いである。
水は減少せず、施設のレベルアップに求められないだけマシであるが、供給量自体が少ないため、餌場はすぐに枯渇してしまう。こちらは女王アリのレベルアップにコロニー規模の拡大が求められた時だけ補充し、後は放置しておいた方が良いのではないかとさえ思える。
これらに加えて、資源用倉庫の問題がある。本作は資源ごとに倉庫が必要なシステムである。ほとんどの場合、女王アリのレベルアップの際には必要な資源を確保するために倉庫のレベルアップを先に求められる。これは「ウォーキング・デッド:サバイバー」と同じである。もちろん、目標が見えているのに遠回りをさせられるストレスも変わりない。
また、本作は働きアリが仕事をするという都合上、輸送や建築に対して働きアリが目的地に移動するまでのタイムラグが生じる。数十秒程度であるが、他の拠点ゲーであれば、一瞬でできることができないというだけでテンポの悪さを感じる。
反省点
それなりに様々な拠点ゲーをプレイしてきたが、資源を投入しないとパラメータが低下する施設が存在するというのは初めてであった。そのため、システムを理解するのに時間がかかり、施設の成長にロスが生じた。実際非常に独特なシステムであることは間違いないため、攻略サイトなどで確認しておくことを推奨する。
総評
72日で女王アリをレベル18にした。レベル3までが当日、レベル10まで7日、レベル13まで29日、レベル15まで60日かかっている。題材の独自性は評価できるが、個人的には興味を持てるものではなかった。これはゲーム全体のモチベーションにも影響し、あまり積極的に各種のコンテンツを利用しようという気にならなかった。デイリーイベントすら満足にやっていなかったため、これらを積極的に行えるのであれば、期間の短縮は感嘆であると思われる。
ゲームバランス的には、活発な同盟に入れたこともあって資源アイテムと加速アイテムは貯まりやすかった。しかし、重要な資源である水と菌類の資源アイテムはほとんど手に入らず、これがネックとなって全体的な施設のレベルアップは常に停滞気味であった。
システムは、かなり独特のものを採用している。しかし、資源を他の資源に加工することも、補給を怠ると数値が低下することも、ゲームの面白さにつながっているとは思えず、単に面倒な作業が増えただけという印象であった。このようなシステムが他の拠点ゲーに見られないのも、それがストレスにしかならないことを製作スタッフが理解しているためであると思われる。
また、拠点がアリの巣ということもあり、巢の中を掘り進めることで新たな拠点を確保するというシステムになっている。これも1つ1つ開発可能遅滞を選んで掘り進めていくのは面倒なだけであるし、生産拠点などが各地に広がり、どこに何があるのかが分かりにくくなっていると感じられた。